その点からすると日本は沖縄には特別に気を遣わざるを得なかったわけでそれゆえに政府は北海道と沖縄については大臣が選任され配慮がなされてきたわけです。特に日本はほぼ単一民族とされる中、この「ほぼ」に当たらない民族問題について苦慮したとも言えます。世界を見渡せばどこの国も民族問題は頭痛の種でそれがないところはないとしても過言ではないでしょう。

日本は沖縄返還後、沖縄に対して多大なる資金を投じ、沖縄復興に努力しました。一方、米軍基地問題は悩ましいまま今日に至ります。また、沖縄経済については独立独歩的な感が強いのも事実です。沖縄の人が本土に就職したり、その逆に本土の人が沖縄で就職するといった人的交流は少ないのが実情。これは北海道、四国、九州でも同じ現象で島と本土の関係は近くて遠いものなのです。九州ならば新幹線もつながり、海峡自体が狭いので心理的な距離感はまだ少ないのですが、北海道は数々の演歌の題材にもなるように望郷の彼方であり、沖縄となれば非日常的な世界にすらなるのでしょう。語弊があるかもしれませんが、大なり小なりそれは否定できないと思います。

中国は今回の玉城知事との関係を重視するでしょう。中には日本政府との分断化では、と言う論調もありますが私はそれは考えすぎかと思います。沖縄は日本の一部であり、沖縄の人は日本の人なのです。これは容易に切ったり切れたりしないし、それを軽々しく言うものではないでしょう。ただ、日本政府は気を遣わざるを得ない、これが真意だと思います。沖縄は本土とは違った歴史を辿ってきた、これは事実なのです。かといって、現代社会において区別する見方をすること自体が不自然だと社会的にはそう考えたいところです。

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年6月19日の記事より転載させていただきました。