比較的カンタンな釣り・ライトゲーム。しかも、3大ターゲットのカサゴ・メバル・アジのすべてが食味も抜群である。では、「食目線」で見たときに、もっともコスト&パフォーマンスがいいのはどの魚か?一番持ち帰って食べることに向く魚は何か、私見を述べたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)
3大ターゲット共に美味
カサゴ・メバル・アジ。筆者の印象で、ライトゲームで釣れやすい魚から並べてみた。
カサゴは底を取って釣ればカンタン。メバルは初冬から春の表層でカンタン。アジは、アジングで釣り方を覚えればカンタン、いやサビキならばもっとカンタン。そのどれも旨いのだから、なんと入門に適した釣りといえるだろう。
ゲームフィッシングとしての魅力であれば、同じ陸っぱりの釣り物であるシーバスやチニングと比べて劣るかもしれない。
だが一般に沿岸のチヌやシーバスが食用には適さないのに対して、ライトゲームで釣れるターゲットは食べることができる(もちろんクサフグなどの毒のある外道は除外)。
そして食味も素晴らしい。その味わいについて上下をつけることはできない。カサゴ・メバル・アジともに、本当においしい。
食目線でコスパがいいのは?
今回は、味で上下をつけることなく、一尾あたりどれくらい身が取れるか、ラクに調理できるか、どんな調理のバリエーションがあるか――そのような観点から、お持ち帰りフィッシングとしての「コスパ」を考えたい。
ここで言うコストとは、お金ではなく、まあ、労力のようなものだ。さあ、もっとも「食目線」で優れるのは、果たしてどの魚か?
身の取れ方は?
まずは身の取れ方から考えよう。一尾あたり、どれくらいの「食いで」があるか?
この部門では、間違いなくメバルが勝ちだろう。アジは最低20cm後半でなければ、基本的に一尾が小さい。カサゴは20cm後半の良型でも、頭が大きいので、見かけの大きさのわりに身がとれない。
メバルは同じ根魚でも頭がカサゴより小ぶりで、また、居着きの魚にはぷりぷりと身がつきやすく、「食いで」がある。
ラクに調理できるのは?
では、次にラクに調理できるのはどの魚か?捌くのがカンタンな魚は?
これは僅差でアジだろうか?アジは、小型はウロコがない分捌きやすい。ゼイゴという尾ひれにかけたウロコの隆起があり、ひとつひとつ取っていくのに、結局ふつうにウロコ取りするのと同じくらいの労力がかかるが……それにしても、他の魚よりラクではある。
カサゴとメバルはウロコが全体にびっしりとついた魚で、ウロコ取りが面倒な上、ヒレがギザギザと尖っているので、ハサミで処理するにしても手に傷を負ったりする。
その上、またお腹が大きい魚で、ワタ(内臓)も大容量だ。フンが出てくることもある。苦手な人は、それだけで吐き気モノかもしれない。