〇米5月鉱工業生産、公益と鉱業が弱く予想外のマイナスに

米5月鉱工業生産指数も0.2%低下し、市場予想の0.1%並びに前月の0.5%の上昇より弱い結果となりました。3カ月ぶりに低下しています。製造業は0.1%上昇し2カ月連続でプラスだったものの、原油価格の70ドル割れを受け鉱業が3カ月ぶりにマイナスとなったほか、公益も2カ月連続で弱く鉱工業生産の足を引っ張りました。

設備稼働率は79.7%と、市場予想の79.7%並びに前月の79.8%(79.7%から下方修正)を下回りました。

チャート:米鉱工業生産は鉱業と公益が弱く、予想外に3カ月ぶりのマイナス

ip23may (作成:My Big Apple NY)

米5月小売売上高が予想外に堅調だったものの、米10年債利回りが3.84%付近から3.7 %割れへ低下し、ドル円を141.43円の年初来高値から140円前半へ押し下げたのも、米新規失業保険申請件数を始め米景気減速を示唆する結果に引っ張られたと考えられます。6月FOMCを経て、債券王と呼ばれるダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック共同創業者は「Fedの利上げ再開の可能性は低い」と発言していましたが、少なくとも本日、米債市場は利上げ警戒が緩んだと言えるでしょう。FF先物市場も、6月FOMCを経て年内据え置きの予想に傾いていますし…。

チャート:FF先物市場、年内は12月まで据え置きの織り込み度が最も高い

ffsss (作成:Fedwatch)

編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK –」2023年6月15日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。