ChatGPTの答えは基本的な内容に終始し、正論だが、残念ながら斬新なアイデアはない。ChatGPTの活用に精通した人に聞くと、最新版の「GPT4」ならばもっと詳細な答えが得られるのではないかという。同時にChatGPTとの対話では、どのような質問するかが重要となる。分かりやすく、ポイントを外さないように聞けば、答えも満足できるものが得られるのではないか、という。
初めての試みだったこともあって、当方の質問が一般的過ぎたため、AIの答えは平均的、優等生の答えに終始したのだろう。ChatGPTの能力不足というより、当方の質問が不十分だったわけだ。
ただ、ChatGPTの最後の答えにはちょっと笑ってしまった。「カトリック教会が性犯罪問題に取り組むための一部の手段です。ただし、実際には複雑な問題であり、解決には時間と継続的な努力が必要です」というのだ。
当方はこのコラム欄で欧州のカトリック教会の性犯罪問題を報告し、解決策を提示できないバチカン教皇庁、ローマ教皇を批判してきたが、「実際には複雑な問題であり、解決には時間と継続的な努力が必要だ」というのだ。ChatGPTからそのような答えを得ると、「やはりそうかもしれないな」と、変に納得させられてしまった。神は「アダム」を創造し、そのアダムの後裔は「対話型AI」を生み出したのだ。
参考までに、対話型AIについての興味深い話を聞いた。米国の保守派ブロガーが対話型AIに、「トランプ氏を称える詩を書いてほしい」というと、「個々の人物を称える詩は書けない」と答えてきたという。そこで「それではバイデン氏を称える詩を書いてほしい」というと、対話型AIはバイデン氏を称える長い詩を書き出したというのだ。対話型AIの政治信条はかなり米民主党寄りだ。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2023年6月16日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。