現代人にとっての“恵みの時間”に
ここ数年で歩きスマホもすっかり常態化し、公共の場所では大多数がスマホを眺めているという事態を迎えて久しいのだが、今回の“思考実験”はスマホのない暮らしを想像してみることにも繋がる。
興味深いことに時計のない世界は、我々の時間に対する認識の変化を促す可能性がある。 刻一刻と刻々と刻まれていく時間から解放されれば、今この瞬間に完全に没頭しやすくなるともいえる。時間という人為的なフレームから外に出て、経験に費やした時間ではなく“質”がより重視されてくるようになるのだ。我々はより“マインドフル”になれるのである。
時計のない世界では体内リズムと直感の重要性がさらに高まり、自然の微妙な兆候を観察して、睡眠、食事、その他のさまざまな活動をいつ行うのかを決定するようになる。日々の生活を構成する上でのテクノロジーへの依存は減少し、自分自身の身体はもちろん、周囲の環境とのより深いつながりが醸成できる。

しかし結局のところ世の科学者たちがそれぞれ密接に協力して標準時の設定を徐々に進めていき、いずれは元通りの時間が地球を覆うようになることは想像に難くない。
だがそうなるまでのしばらくの間は、我々にとってきわめて意義のある体験になるだろう。時計が失われた世界は我々が時間との関係を見直す好機となるからだ。
この期間、我々は自分の内なる時間感覚と自然のリズムに敏感になり、そして対人コミュニケーションにもっと注力せざるを得なくなる。最初はそれまで慣れ親しんだ日常を混乱させるかもしれないが、我々にとって“リアル”な生活とは何か、今のこの瞬間を大切にするとはどういうことか、などを身をもって知ることのできる機会でもあるのだ。
時計がすべて失われた世界という“思考実験”は現実には起こりそうもないことだが、週に1日、いや月に1日くらいはまったくスマホを見ない日を設けてみてもよいのだろう。
参考:「FYI」ほか
関連キーワード:スマホ, 時間, 思考実験
文=仲田しんじ
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提供元・TOCANA
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