さて、日経平均は終値で33000円を超えてきました。「覚醒した」というのが正直な意見です。ここまでの反応は全く予想できませんでした。では今後もこの調子で上がるのか、と言えば私はまだ懐疑的に見ていますが、市場の反応次第だと思います。少し前にも書きましたが、今、儲けているのは外国人投資家ばかり。しかもロットを稼げる大型株に資金が集中しており、正直、全体の騰落率でみると言う程ではないのです。前回も申し上げたように皆がウハウハになっておらず、個人投資家にうまみが廻ってきていない状態かと思います。よってこれで新興企業へ資金が廻ってくるか、これが判断どころになるかと思います。

33000円を超えてきて久々に思い出したのがダウと日経平均の関係です。連動性があるとされ、様々な分析がありますが、このところあまり話題にならなかったと思います。この連動性はダウが上がれば日経平均も上がり、逆もしかり、という意味なのですが、もう一つのポイントは日経平均とダウが円ドルの違いがあれどほぼ似たような指数値になる点です。つまりダウが現在34200ポイント程度で日経平均が猛烈にそれを追いかけている状態になります。かつて追い越したこともありますが、基本はダウが上です。

と言うことは日経平均は上げてもあと1000円がいっぱい一杯でそこからはダウ次第という見方もできます。もちろん、北米株式市場が強気シグナルになっているので堅調に推移する可能性はありますが、唯一、商業不動産(オフィスリース)と中小銀行の業容が悪すぎて秋にひと悶着ありそうな気がしています。

日銀の定例政策会議では今月は特にサプライズはでないと思われますのでマネー市場は1-2か月は心地よい追い風が吹くとみています。

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年6月14日の記事より転載させていただきました。