アブラムシが増えるわけ

アブラムシって、ちょっと放置しているとたちまち増殖しますよね。
なぜあのように急速に増えていくのか、それは彼らの独特の生態が関係しています。
なんと、時期によって子供の増やし方が変わるんです。
生まれ方の秘密
春から夏にかけてのアブラムシの増え方は、卵胎生単為生殖というものです。
これはメスだけで子供を作る方法です。
メスは、一種のクローンともいえる自分のコピーを胎内に宿し子供を生みます。
この子供はメスのクローンともいうべきものなので、もちろんメスです。
しかもこの子供、生まれたばかりというのにすでに子供を宿した状態なんだとか。
生まれてきた子供は10日余りで成虫となります。
この成虫になった子供は、生まれてきた時点で子供を宿しているわけですから、すぐに子供を生みます。
この流れで、アブラムシは爆発的にその数を増やしていくのです。
卵の秘密
卵胎生単為生殖は、春から夏にかけての生殖行為です。
それが秋から冬になると、卵生有性生殖を行います。
春から夏にかけて生まれるのはすべてメス、自分のクローンです。
ところが秋から冬にかけては、オスが発生します。
そしてメスとオスが交わることで卵を産みます。
ちなみに卵はすぐには孵化しません。
寒い冬を越して、温かくなったところで初めて孵化します。
この時生まれてくるのは、すべてメスです。
このように環境に応じた産み分けを行っているので、着実にその数を増やせるわけですね。
成長の秘密
成長がスピーディなのも、短期間でアブラムシの個体が急増する理由の一つです。
春から夏にかけては10日もあれば、成虫になってしまいます。
しかもこの時期、成虫は毎日5匹前後の幼虫を生むといわれています。
このサイクルでアブラムシが増えるわけですから、一気にわいてしまうのも致し方ありませんよね。
天敵と共生相手

アブラムシには、天敵と共生相手がいます。
天敵と共生相手にどのような生物がいるのか、以下で詳しく見ていきますね。
天敵テントウムシと寄生バチ
アブラムシの天敵、その代表がテントウムシと寄生バチです。
この2つがツートップと言っていいでしょう。
では、それぞれどのような意味での天敵なのかを見ていきましょう。
テントウムシ
アブラムシを捕食する天敵として有名なのがテントウムシです。
テントウムシは1匹だけで実に10匹以上のアブラムシを捕食できるといわれています。
アブラムシは、成虫1匹が1日5匹の幼虫を生むのが一般的です。
ということはテントウムシを早い段階で放てば、アブラムシがわくのを防げるわけですね。
ただし、テントウムシにも好みがあるようで、個体によって捕食するアブラムシの種類が変わってくるんだとか。
寄生バチ
ハチの中には、アブラムシの体に卵を産み付ける種類がいます。
それが寄生バチと呼ばれるハチです。
アブラムシの体内で卵が孵化すると、アブラムシの養分を吸い取って成長ます。
結果的に、そのアブラムシはハチの幼虫の餌としてその生を終えるのです。
共生相手はアリ
アブラムシは、外殻が柔らかく集団で生活します。
このため、動物に襲われやすい傾向があります。
そこで、十分でない防御力を補うため、アリに外敵から守ってもらっています。
別名はアリと共生する仕組みから
アブラムシには別名があって、「アリマキ」と言います。
漢字表記は「蟻牧」となり、その由来はアリを従えるように共生していることからだとされています。
アブラムシは植物の師管液を養分にして生活していますが、この師管液には糖分が多く含まれています。
アブラムシも排泄をするのですが、これを甘露と言います。
余分な糖分が多く含まれていて、アリがそれを餌にするため集まってくるわけです。
このアリがアブラムシに群がってくる様子が名前の由来です。
アリはアブラムシから糖分をもらい、アリはテントウムシなどの天敵からアブラムシを守ります。
まさに共生関係ですね。
まとめ

アブラムシはガーデニングや自家菜園をしている人にとっては害虫そのものですよね。
特にイヤなのは、少し目を離すとあっという間に増加するところでしょう。
アブラムシはメスだけでも幼虫を産める、しかも生まれてくる幼虫はすでに妊娠しているのでどんどん増えてしまうわけですね。
ただしアブラムシには、テントウムシや寄生バチなどの天敵もいます。
もしアブラムシの増殖を防ぎたければ、テントウムシや寄生バチなどの天敵をうまく活用するのも一考ですね。
提供元・FUNDO
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