老後30年間で約2,000万円の不足が発生するとする金融庁のワーキンググループの報告は世間に大きな衝撃を与えた。以後、20代から40代のつみたてNISA新規買い付け額が目に見えて増加している。

理由2:損をしたくない

意外なことに、損をしたくないことも理由のひとつと考えられるだろう。

これまで投資には、ハイリスク・ハイリターンなイメージがつきものだった。だが、ドルコスト平均法など、比較的低リスクで投資できる積立投資の考え方が広がるにつれ、損しにくいリスクの低い投資としてつみたてNISAに注目が集まったのである。

理由3:インフルエンサーがインデックス投資をアピールしている

SNSや投資系YouTuberの影響力も否定できないだろう。

データ分析を手がける「ヴァリューズ」の調査によれば、20代から30代の約3割が休日に3時間以上YouTubeを視聴していると答えている。

YouTubeの投資情報をみると、複数のサイトで積立投資に向いたインデックス投資を推奨しており、こうした情報をきっかけに、ミドル層や若年層がつみたてNISAを始めている可能性があると考えられる。

つみたてNISAは若いうちに始めたほうが有利

積立投資の最大のメリットは長期投資で複利効果が得られることだ。若いうちに開始し、投資期間が長くなればなるほど資産運用の効果が高まるため有利なのだ。

若者の金融リテラシー向上がつみたてNISAへの関心を高めた

これまで投資家の主体は資金面に余裕がある中高年層であった。

しかし、インターネット証券の発達やコストが低いインデックス投信の登場は、資金に余裕がない若者にも金融資産を保有するチャンスを生み出した。

若い世代の老後に対する不安や損をしたくないという気持ちが金融リテラシーの向上をもたらし、つみたてNISAの活用につながっているのではないだろうか。

文・馬場正裕(ファイナンシャル・プランナー)
高校教師・学習塾・予備校の講師を経て、現在は金融・保険などのマネー系Webライターとして活動中。主に、金融メディア、SDGsメディア、教育メディアに出稿している。

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