studiocasper/iStock

中国や韓国との外交関係については、『安倍さんはなぜリベラルから嫌われたか』(ワニブックス)でも扱ったが、『日本の政治「解体新書」: 世襲・反日・宗教・利権、与野党のアキレス腱』(小学館新書)ではもう少し歴史的展望のなかで深掘りしている。

中国や韓国との関係が難しいのは、歴史的事情があるにせよ、両国政府の反日ぶりは異常である。とくに韓国のそれはストーカー的でさえある。

日中戦争では日本だけが悪かったわけでない。日清戦争で欧米は日本に好意的だったし、第一次世界大戦のベルサイユ条約で得たものは欧米との共作だ。満州事変のリットン調査団の報告では、日本軍の行動が批判され、独立は認められないとされたものの、中国側が日本の利権を尊重しないことが非難され高度の自治を満洲に与えるべきだとした。

それでも、日中戦争を全体としてみれば日本により大きな責任があることは否定できないし、少なくとも中国側の被害は日本が中国側から受けたそれより大きい。

日本が朝鮮半島を「植民地支配」したかどうかは、「植民地」という言葉が法律用語でないので、正しいとも間違っているともいえないが、例えばイギリスのインド支配と同じような意味での「植民地支配」をしたわけではない。日本の場合、半島の人も同等の国民として扱う方向性ははっきりしていた。

それでも、「日本にも言い分がある」とか、「日本統治には良いこともあった」と、日本人から言うことは控え目にして、韓国の人たちが評価してくれるのを待つべきだと私も主張してきた。

ところが、韓国の反日気分は時間を追うごとにエスカレートし、歴史のねつ造も甚だしい。となれば、日本側はずいぶんと自制してきたし、日本支配を経験した世代も少なくなったので、そろそろ客観的な評価を求めても罰が当たるまい。