「Aさん自身も俳優として活動しており、猿之助の事務所にマネジャーとして雇われているわけではなく、個人的な付き合いのなかで『付き人』のような存在になっていた。俳優としては無名にもかかわらず、なぜか猿之助が手掛ける舞台では重要な役どころを得たり、猿之助が頻繁に開く飲み会やパーティーには必ずといっていいほど顔を出していた模様。いくら打ち解けたムードの私的なパーティー中でも、澤瀉屋(おもだかや)のトップである猿之助に馴れ馴れしく接する者はおらず、俳優やスタッフも気を使って接する。そんななか、Aさんだけは猿之助とは他の人と違った関係のようにみえたという声はある。
もっとも、主役級の俳優が個人的に肩入れする人物やブレーンのようなスタッフを贔屓にして、契約などはあいまいなまま一門に引き入れるという話は歌舞伎の世界では珍しくはないので、特段にAさんの存在が目立っていたわけではないようだ。