優秀な人は質問力が違う

正直その人の実力は質問を見ればたちどころに分かってしまうと思っている。これまで数多くの人とやり取りしてきて感じること、それは優秀な人は共通して質問力が高いのである。これはそのままAIへの質問力につながる。いくつか取り上げたい。

まず自分自身で問題を正確に認識できているということだ。本来は疑問や悩みは、自分自身が一番良くわかっているはずである。問題はそれを他人に伝える言語化力やコミュニケーション能力だ。優秀な人は具体的に自分がどういう課題を抱えていて、どう解決したいか?ということをわかりやすく質問できる。質問された側にもしっかり疑問が伝わるから回答もしやすく、相手の求める答えを出すことができる。結果、無事解決に結びつくということである。

そして自分なりの仮説を持っている。たとえば「とにかく何もわかりません!」と両手をあげられるより、「自分はこうなると思っていたのに、実際はこのような展開になりました。なぜかわからないので教えてください」と聞かれる方が明確で役に立つ答えを出しやすい。

「おそらくこの部分を思い違いをされているのですが、それについてはこの情報が役に立つと思います。そして問題はこれで解決します」といった具合に仮説の誤りを訂正してもらえる上、問題も解決できるので答えを受けた側も満足できるはずだ。

最後に質問者への配慮である。自分だけでなく、教える側の立場というのはなんとかして相手の悩みや問題を解決したいと必死に知恵を絞るものである。相手の悩みが解消されて喜ぶ姿をみれば誰だって嬉しいのが自然だ。できるだけ質問がわかりやすく伝わるように、と配慮が感じられる質問を受け取るとやっぱり聞かれた側も嬉しくなるし、その配慮がより具体的で問題解決につながる回答を作る上でのヒントになることも少なくない。

結果、質問者が配慮することで、一番得をするのは質問者なのである。これを理解しているので自分自身、誰かに質問をする時は必死に相手の立場で考え、できるだけ相手が回答しやすい配慮のある質問をするよう心がけている。

AIはすべてを解決するような雰囲気が漂うが、それはあくまで質問力が高い人に限った話なのである。どれだけ優秀な人間でもAIでも、エスパーではないので言語化できない質問に答えることは難しい。想像力を総動員して知恵を絞って回答する努力をしても、やはり必要な情報がなければストレートな回答は難しくなる。以上を踏まえて考えると、AIを使いこなすための最大のコツは「質問力」にあると思うのだ。

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