“ロベルト カヴァリ バイ フランク ミューラー”は、イタリアのファッションハウス“ロベルト・カヴァリ”と、スイスの高級時計メゾン “フランク ミュラー”の共同ブランディングから誕生した新鋭ウオッチブランドだ。
伝統にとらわれないラグジュアリーでセクシーなスタイルで知られる“ロベルト・カヴァリ”の世界観を時計に落とし込んだデザインが特徴なのだが、デザインに加えて、その品質の高さも魅力のひとつとなっている。すでにブランド名から察している人もいるかと思うが、トノーウオッチの名手として知られるスイスの高級時計メゾン、フランク ミュラーの製造を行う“フランク ミュラー ウォッチランド”が製作の監修を担当しており、文字盤の6時位置にデザインされている“フランク ミュラー”のロゴは、その証なのである。
今季の新作として登場した“207シリーズ”でもフランク ミュラーのDNAを継承するトノーケースがデザインのアイコンとして採用されており、スケルトン文字盤を採用したメカニカルなデザインに、立体的なフォルムがエレガントさを加えている。
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ロベルト カヴァリ バイ フランク ミューラー
205シリーズ
幾何学的なフレームデザインが目を引くスケルトンコレクションの最新モデル。デザインのアイコンとなっている文字盤のフレームには、ロベルト カヴァリのブランドロゴを大胆に取り入れており、スケルトン加工を施したフレームをとおしてムーヴメントをチラ見せ。フレームデザインと文字盤のレイヤード構造により、立体的でメカニカルな造形がクローズアップされている。別体成形された二つのパーツ(表面の仕上げも異なる)を組み合わせることで、流線型のフォルムを際立たせたトノーケースもシンボリックに存在感を主張している。
■RV1G205P1041。SS(42×50mmサイズ)。5気圧防水。自動巻き(スイスセリタ社製、Cal.SW200)。25万3000円
》スケルトン 文字盤の質感や印象をチェック
文字盤外周に円形のメタルフレームを備えた夜光アプライドインデックスを配置。アラビアインデックス、時分針にもルミノバ夜光が塗布されている。文字盤の要素が多いスケルトンデザインは、インデックスの造形や配置の仕方によって視認性が損なわれることも多いのだが、メタルフレームと夜光塗料で存在感を強調することで、昼夜を問わない見やすさが確保されている。
幾何学的なフレームデザインを採用したスケルトン文字盤は時計界のトレンドのひとつだが、このモデルはデザインにブランドロゴを取り入れているのが面白い。ともすれば没個性的になりがちなスケルトン文字盤デザインに、遊び心と個性を加えている。ムーヴメントを最下層として、ブランドロゴのフレーム、アラビアインデックス、ドットインデックスと、それぞれに高低差を付けたことで実寸以上に立体的な見た目に仕上げているのも注目のポイントだ。縁の下の力持ち的な存在だが、適度な厚み、立体的な造形(中央に稜線をもつ)、鋭角な先端をもつ時分針も高級感を高めている。