空気抵抗を極限した超低床ロールーフの快適性やいかに?

観音開きバタフライドアのおかげでジックリ見られる車内を覗き込むと、左右席の間はリチウムイオンバッテリーでも入っていそうな高い隔壁で仕切られ、走行中はもちろん、乗降時に車道側から歩道側へちょっとウォークスルーして…というのも難しそうです。
一応は備えられた3列目シートも座面は短く、頭上にはさんさんと日光が注ぎ込むルーミーなガラスルーフが迫っているため、筆者としては走り出して5分で「降ろしてくれ!」と悲鳴を上げた、2代目ホンダCR-Xの後席を思い出して、あまりよい気持ちになれません。
ちなみに2列目は1列目背面へ押し込むようにして収納、3列目を広くリムジンのように使う事もできるようで、その場合は3列目がシートバックごと沈みながら前にずれ、ふんぞりかえるような形で頭上スペースを稼ぐ考え方な模様。
もちろんこれも、「Cd値0.28と極言された空気抵抗係数からわかるように、アウトバーンを長距離高速巡航しても良好な燃費と走行性能を期待させるためのショーカー要素」であり、もし実用車へ適用するなら、もっと現実的なデザインへと手直しされたでしょう。
何しろ、当時既にヨーロッパでは「3008Hybrid4」で採用されていた、前輪をクリーンディーゼルで、後輪をモーターで駆動するパラレル式ハイブリッドを採用、外部からの充電で30kmのEV走行が可能なプラグイン版(PHEV)として進化・搭載したという触れ込み。
ならば内外装もそれに合わせ、思いっきりエスプリを効かせた純粋なショーカーに達したのがHX1コンセプトですが、発表から12年を経るとバッテリーをよりたくさん積めるSUV型のBEVが主流になっていき、ディーゼルPHEVなどあまり注目されません。
2011年当時としては確かに奇抜なクルマでしたが、その後の方向性としては思いっきり空振り、全高わずか1,370mmのミニバンになど未来はなかった、という結果で終わりそうです。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
文・兵藤 忠彦/提供元・MOBY
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