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偶然発見された世界最大の黄金仏
金箔や彩色仕上げの仏像との比較
偶然発見された世界最大の黄金仏
そして1953年、その廃寺を工事することになった時、その黒い仏像を現在の場所にクレーンで移動しようとしました。ところがクレーンで持ち上げた仏像は見た目以上に重く、その日は仏像を外に放置したまま工事を中断しました。
その夜は大嵐。仏像は強い雨と風にさらされ、塗られていた黒の漆喰がはがれ、そこから現れたのが世界最大の黄金の仏像だったのです。
金が塗られている仏像は数多くありますが、この仏像は全てがトーンノパクンというほぼ純金。高さは3m、全重量は5.5t、時価総額では120~150億円とも推定される世界で随一の黄金仏だったのです。
これは世紀の発見とされ、タイ全土がお祭り騒ぎに。1991年にはギネスブックにも認定されました。


なぜこれほどの黄金仏がそんな扱いだったかというと、当時はビルマ軍からの略奪から守るために、黄金仏はカモフラージュされ、黒の漆喰が塗られていたのです。
もしもクレーンでスムーズに本堂に移動することができたなら、漆喰は剥がれることもなかったでしょう。あまりの重さに外に置いて工事を中断したこと、その夜が嵐だったこと、これらの偶然の重なりが世界最大の黄金仏をよみがえらせたのです。
金箔や彩色仕上げの仏像との比較
今ではバンコクの三大寺院、エメラルド仏・ワットプラケオ、巨大な涅槃仏・ワットポー、暁の寺・ワットアルンとも並ぶ世界的な人気を誇る寺院となりました。

ここには黄金物の他にも一般的な金色の仏像や黒い仏像もあります。どの仏様も美しいのですが、あたためて仏像の色を比べるのも興味深いものです。木の素材を生かした木地仕上げは年輪が美しく木の香りも楽しめます。金箔仕上げが色あせてくると歴史を感じることができ、黒の彩色仕上げの仏像には仏教の奥深さを感じることができます。


そしてここのほぼ全てが金という世界最大の黄金仏。体の隅々の曲線が照り返す光と艶、他の仏像とは異なる中までが金という重厚さは圧巻でした。

Wat Traimit(ワット・トライミット)
- 住所:Thanon Mittaphap Thai-China, Talat Noi, Samphanthawong, Bangkok 10100
- 拝観時間:8時00分~17時00