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歴代最強かどうかはともかく、歴代最高と思える2代目NB
どん底からの「ロードスター・リボーン」

歴代最強かどうかはともかく、歴代最高と思える2代目NB

「負けられない戦いと“ロードスター・リボーン”」どん底から最高傑作へ…マツダ 2代目NBロードスター【推し車】
(画像=1998年に初のモデルチェンジを迎えたマツダ ロードスターは、リトラクタブルヘッドライトの廃止などスタイリング変更に賛否あった、『MOBY』より引用)

マツダのロードスターといえば、まごうことなき名車で歴史的・文化的価値からマツダ純正レストアプログラムも行われている初代NA、最新のSKYACTIVテクノロジーが注がれている現行のNDといったあたりがメジャーですが、一方地味な扱いが多いのは2代目NB。

リトラクタブルヘッドライトをやめるなど外観面で初代NAの劣化版のように思われる事も多く、実際1998年のモデルチェンジはバブル崩壊後に深刻な経営危機に直面したマツダの再建期だった事もあります。

しかし考えてみればそんな時期でもロードスターを作り続け、他社でありがちな生産継続しているだけで放置でもなく、モデルチェンジすら敢行したマツダの心意気たるや凄まじく、2代目NBもただのコストダウン劣化版なわけがありません。

むしろコストパフォーマンスで考えたら、今なお最高のロードスターでは?と考える筆者がその思い出を語ります。

どん底からの「ロードスター・リボーン」

「負けられない戦いと“ロードスター・リボーン”」どん底から最高傑作へ…マツダ 2代目NBロードスター【推し車】
(画像=結果的に固定式ヘッドライトの廃止、グラム作戦と言われた軽量化の徹底で、その走りは初代NAを上回る、『MOBY』より引用)

1990年代、無謀な5チャンネル販売体制や安易な車種急増など、バブル期の放漫経営のツケが回って深刻な経営状態に陥っていたマツダですが、だからこそと言うべきかその魂とも言えるスポーツカーを見捨てず、FD3S(3代目RX-7)とロードスターの進化は続きました。

これが他のメーカーならサッサと店じまいして、販売台数の見込める車種へ経営資源を集中するか、形だけでも生産継続するに留めるものですが、マツダの場合は両車とも改良やモデル追加を続けていたのですから、その信念たるや大したものです。

しかもロードスターは1998年に2代目へとモデルチェンジ、「ロードスター・リボーン」というキャッチコピーとともに生まれ変わった2代目NB型を大々的に売り出し、マツダ健在をアピールしてみせました。

その2代目NB型ロードスターですが、基本的にはハードトップや新たにビニールからガラス化されたリアウィンドウは共用できる点から、初代NAからはビッグマイナーチェンジに近い正常進化版とも言えます。

もちろん国内史上で1.6L車の復活、1.8Lエンジンの改良や6速MT化といった変更点もありますが、もっとも変わったのはリトラクタブルヘッドライトの廃止。

複雑で重量がかさみ、展開時は視界悪化すら招く同機構の廃止は走りの点からすればメリットだらけだったものの、初代NAの美しさが損なわれたと批判の声も多く、コストダウン、劣化版と断じる声も多かったようで、中古車市場でもどちらかと言えば日陰者です。

つまり、初代NAのように美しくもなく、3代目NCのようにパワフルでもなく、現行の4代目NDのように新技術を惜しみなく注ぎ込まれたわけでもない、中途半端なロードスター。

しかし言い方を変えれば、初代NAのようにくたびれておらず、3代目NCのようにコンセプトから外れたマッチョでもなく、4代目NDほど新しすぎて高価でもない、振り回して遊ぶには最適な国産最後の5ナンバーFRスポーツとして、もっと注目されていいと思うのです。