有力者に認められた能力

そしてもう1つはその道の有力者から認められた能力なら、才能と考えることができるかもしれない。もちろん、単なるリップサービスの可能性はある。だが、本気で応援してくれたなら「いえいえ、自分なんて大したことないですから」と謙遜するべきではなく、素直に喜んで分野で挑戦するのがいいだろう。

自分自身について言えば、起業に興味を持って最初の頃人脈を広げたいと異業種交流会にあちこち顔を出していた時期があった。結果的に全然ダメで、最終的には一人でコツコツ挑戦と改善を繰り返すスタイルに落ちついた。

ある時、かなり有力な経営コンサルタントとされる人物(過去に年収一億円プレーヤーを7人出している)と偶然お話をする機会があった。その時に自分の取り組みや心構えを話して聞いてもらったのだが、相手から褒めてもらえたことがある。「あなたは会社員よりソロプレイヤーとしてビジネスをする方が絶対に向いている。自分の得意な分野で継続して頑張ればうまくいくよ」と言ってもらい、たくさんのビジネスのアドバイスをもらった。

自分は特段、大成功したとは思わないがその言葉には随分助けられた。挑戦していると時々押し寄せてくる「もしかしたら自分で仕事をして生計を立てるなんて高望みだったのでは?」という不安を押しのける力になってくれたと思っている。「あの人が認めてくれたんだから、自分はできるはずだ」という強い自信に繋がった経験であった。

金銭の多寡が気にならない分野

これは綺麗事に聞こえるかもしれないが、高収入など条件だけに惹かれて始める仕事はうまくいかないと思っている。確かに仕事をする上でお金は重要な経営資源であることは否定しないが、仕事をする上で「楽しい、嬉しい、やりがいがある」といった人間感情は絶対に無視できない。

基本的に仕事は何年、何十年と継続していく前提があるから、たとえ好条件でもまったく興味がない、つまらない仕事を継続するのは地獄の苦しみに感じるはずだ。人間、誰しもお金のありがたみは最初だけであっという間に慣れてしまい、つまらなさなど苦痛要素にはいつまでも慣れないからである。

お金の多寡に関係なく、楽しいからやりたい! という分野は才能があるかもしれない。そして往々にして、そういう分野で仕事をはじめれば思っていたよりお金に困ることもない状況になっていくと思っている。

自分の場合、英語学習についてのコンテンツを発信する前は「まあ楽しければお金は別にいいかな」という気持ちだった。しかし、それを継続していくと収益として決して悪くないことに気付かされた。それは記事の執筆でも人前で話すセミナーや講演への登壇も同じである。

単なる結果論と言われてしまうかもしれないが、好きで初めた仕事は技術や知識がついてくるので、やる前に思っていたよりお金は集まるものなのである。逆に好条件ではじめても好きでなければ、自主的に学ぼうと思わないから、知識も技術もついてこず良い報酬を維持できないこともありえる。

やっぱり「好き」は最強の才能だと思うのだ。

自分で自分の持つ才能に気づくことはなかなか難しい。筆者自身、自分の才能は他者からの評価で気付かされる事が多かったように思う。人生は一度きりで、仕事は一日の大半を使う。ならその仕事はできるだけ自分の才能を引き出せる分野で、楽しく過ごすのが理想だと思うのだ。

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