この目標設定には違和感を覚えた。チャットボット・タックスアンサーを充実させ、類型的な相談は国税庁サイトで解決できるようにする。国税庁サイトで解決できなかった相談には職員が、10分以内とは言わず、時間をかけて対応するという方向に進むのがよいではないか。

チャットボット・タックスアンサーを提供する国税庁サイトには、アクセシビリティとユーザビリティの問題が山積している。そもそも視覚障害者等は利用できない作りになっている。運よく利用できた人も納税に関する疑問が解決できたか怪しい。これらを解決するのが先決なので、サイトの改善を短期目標とするように僕は提案した。その先に、納税者の満足度向上というゴールがある。

レビューの結果、国税庁に対して以下の三点を委員の総意として指摘した。

第一は、納税者の利便性・満足度の向上を長期目標とすること。第二は、現行業務についてアクセスログ解析なども利用して分析し、アクセシビリティ・ユーザビリティを含め改善を進めていくこと。第三は、相談業務のコスト分析を元に適切に業務を運営すること。

指摘事項は相談業務の運営改善に利用される。