およそ15年前の民主党政権・事業仕分けは国民の関心を集めた。自由民主党政権に戻った後も事業仕分けは「行政事業レビュー」として続けられている。ただし、以前のように行政を否定するではなく、改善するためである。
行政事業レビューではEBPM(根拠に基づく政策立案)が強調されている。事業の進捗や効果について成果目標に照らした点検を行い、事業の改善・見直しにつなげ、無駄のない、質の高い行政を実現していこうという考え方である。
財務省について「電話相談センター運営経費」を対象に、6月7日に行政事業レビュー公開プロセスが実施され、僕も評価者として参加した。ネットでも生中継された。

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「電話相談センター運営経費」と聞いてもピンとこないかもしれないが、毎年、確定申告期を中心に税務申告に関する相談が国税庁に数多く(およそ年間500万件)持ち込まれている。相談業務の有効性と効率性はどうしたら高められるだろうか。
納税者から寄せられる電話相談に対して迅速かつ的確に対応し「電話相談センターにおける10分以内の相談割合」を増加させていくことが、国税庁の掲げた短期目標である。また、国税庁サイトにはチャットボットやタックスアンサーがあるので、これらを充実させて納税者の自己解決を促進することが長期目標とされた。