助成金はまた、「DE&I」(diversity:多様性、equity:公平性、inclusion:包括性)をイラクの大学に押し付けることを明確に要求しており、資金提供のための許容される活動の中にそれらを挙げ、「公平性」の項目では、「T:トランスジェンダーとQ:クィア」のイラク人の公平性に注目する必要性が述べられている。

バイデン政権がこの種のことに税金を海外送金してきた事案には23年だけでも、タジキスタンの障害者が「気候変動リーダー」になれるよう支援するプロジェクト、インドの「チェンジメーカー」に「より持続可能な選択をするライフスタイル」を奨励する気候変動ポッドキャストの開発、ブラジルの「トランス活動家」20数名に英語の話し方を教えることなどがある、と記事は結ばれている。

目下の日本でも、「SDGs」の後を追いかけるように競って企業に取り入れられつつある「DE&I」研修、あるいは教育現場におけるジェンダー教育などは、多くの地方公共団体が取り組んでいる心身にハンデを持つ者らへの各種の差別禁止条例とは、趣を異にする政治的な部分を強調し過ぎてはいまいか。

「三すくみ」のLGBT法案、「今国会成立は困難」との声もある。が、21日の会期末まで国会審議が行われれば、国民への理解はそれなりに浸透する。成立するかどうかよりも様々な論点を明らかにし、他国からの圧力を排除した、日本の慣習にあった心の問題への対処の在り方を求めたい。

ペンスが警鐘を鳴らす「ポピュリズムのサイレンの歌」に踊らされているかに見える岸田政権、来年秋に共和党が政権を奪還すれば、大統領がトランプであろうが、デサンティスであろうが、ペンスであろうが、民主党政権で行われているトランスジェンダーや気候変動の政策のどれもが白紙になることを忘れてはなるまい。