遊園地業界で、点検者の安全確保と業務効率化を図るため、テクノロジーを活用した新たな取り組みが始まっています。
株式会社スカイブリッジ(以下、スカイブリッジ)は、椿本興業株式会社(以下、椿本興業)と協業し、浜名湖パルパル、かんざんじロープウェイのジェットコースターとロープウェイのドローン点検を実施しました。
点検は、ドローンによる4K撮影映像を担当者がリアルタイムで確認する形で実施。高所かつ危険な箇所をはじめ、仮設足場を設置した際にしか点検できない場所や、法定点検時にしか確認できない箇所などのチェックが実施されました。
足場の下部などを安全に点検
浜名湖パルパル、かんざんじロープウェイでは、ジェットコースターの裏側や避雷針、設備足場の下部などを安全に点検するための新たな手法として、ドローンの活用を検討していたといいます。
今回、椿本興業よりドローン点検ソリューションの提案を受け本格検討へ。椿本興業は協業するスカイブリッジによるプラントでのドローン点検、そしてドローン測量を活用した3次元化技術を紹介し、採用に至ったとのことです。
スカイブリッジは、ドローンメーカー、ソフトウェア開発会社ではないため、ドローンの機種機体、ソフトウェアに縛られることがなく、点検対象に対して最適なドローンを用途別に選定します。今回は、浜名湖パルパル、かんざんじロープウェイが要望する点検手法を採用しました。
最適なドローンを用途別に選定
遊園地「浜名湖パルパル」では、ジェットコースタの点検において、設備内部にドローンが深く入り込み撮影する必要があったため、Skydio社のドローンを採用。点検箇所から1m以内まで近づき、浜名湖パルパルの担当者が撮影映像をリアルタイムで確認する形で、各種確認が実施されました。
かんざんじロープウェイの点検では、DJI社のドローン(Matrice300RTK)を採用。ドローンと湖上の支索、通信索を十分な距離(離隔)を保ちつつ、複数方向から数十〜数百倍のズーム撮影を実施しました。同機は、ロープウェイ支索1本1本の詳細まで鮮明に撮影が可能です。
点検には、スカイブリッジが得意とする測量技術を応用し、自動航行ルートを作成。かんざんじロープウェイの担当者がリアルタイムで映像を確認しました。
360度ビューワーに対応!操作も簡単
なお撮影映像は360度ビューワーに対応しており、ビューワー上のアイコンをクリックするだけで動画を確認できるため操作が容易であることも特徴です。
管理者の業務を削減するほか、定期的な点検動画や、図面などのあらゆる情報を一元管理するプラットフォームとして活用が期待されます。