徐々に盛り上がりを見せる、内装付きオフィス
比較的高い品質の内装を備えていることが多いフレキシブルオフィスですが「これに相応する内装を実現しながら専有のオフィスを構えたい」という理由から、フレキシブルオフィスと並行して内装付きオフィスを検討する企業も増えています。
以下のマップは、2022年9月時点での内装付きオフィスの賃料と物件の分布を整理したものです(都内の30~60坪規模を対象)。
ここ数年の傾向として、東東京エリアに内装付きオフィスが数多く登場しました。それに伴い成約件数も顕著に伸び、渋谷や表参道エリアから東東京エリアへ移転するという事例も出てきています。
テレワークを活用したワークスタイルが普及し、東側エリアでの内装付きオフィスが増えたため、企業にとって好条件で契約しやすく人気が上がってきている、という点が理由だと考えられます。
内装付きオフィスの場合、通常オフィスで最も価格の高い銀座・丸の内エリアよりも、渋谷・恵比寿エリアの方が高価格。新宿エリアや六本木エリアは比較的リーズナブルな設定であるなど、通常オフィスとの違いも見受けられます。
内装付きオフィスの懸念としては、東京の西側エリアに数が少ないこと、需要に対して100坪を超える物件がまだまだ少ないことが挙げられますが、これらの登場は今後に期待することにしましょう。
入居準備や初期費用を削減、移転もスムーズ
フレキシブルオフィスと内装付きオフィス、いずれも検討する上で大きなメリットとして捉えられるのが初期費用の削減です。
基本的なオフィス機能が完備された状態で入居できるため、入居準備や解約にかかる工数と費用を最小限に抑えることが可能。
約2〜3年ごとの移転がめずらしくないスタートアップ、ベンチャー企業にとっては、入居後すぐに仕事に取りかかれる環境が整っており企業のフェーズに合わせた移転もスムーズなので、今後ますますニーズも拠点数も増加していくと考えられます。
<著者プロフィール>
上岡貴弓(うえおか・たかゆみ)
株式会社ヒトカラメディア
ワークデザイン事業部 企画営業チームリーダー不動産領域のスタートアップでセールス、マネジメント職を経て2017年にヒトカラメディアにジョイン。企画営業職としてスタートアップ・ベンチャー企業をメインとしたオフィス移転に数多く携わる。オフィス移転をきっかけに、働く場と働き方からいきいきとした組織と個人を増やしたい。