
食い気が先んじされるタイプの人をからかって「花より団子」と言うことがあります。
また、実利を優先させる人のことを指す表現となっています。
では、なぜ「花より団子」と表現するのか。
ここでは「花より団子」の意味や由来、用い方について見ていきます。
「花より団子」の二つの意味

「花より団子」には大きくわけて2つの意味があります。
それぞれの意味について、まずは見ていきましょう。
意味①:実利の方を大事とする考え
「花より団子」は、実利を優先する感性・考えを持つ人の例えとして用いられます。
花見は、桜のうつくしさといった風流を楽しむ行事ですが、そういった感性を楽しむよりも持ち込まれたり用意された団子のような食事を楽しみにしている人もいます。
そのような実利的なものを優先する人に対して「花より団子」は用いられるわけです。
近年では、食いしん坊という意味合いで使用されることもあります。
意味②:風流を理解できない心
「花より団子」は、風流を理解できない人の例えとしても使用されます。
花見は、美しい桜を愛で楽しむものです。
しかし、その感性が無い場合、用意された団子や食事、酒といったものを食べるただの宴会になってしまいます。
そのため、「花より団子」は風流を理解できない人を指すこともあるわけです。
また、桜の美しさを愛でるという感性だけでなく、芸術性についてもわからない場合も「花より団子」と表現されることがあります。
精神的幼さの表現となることも
「花より団子」は、精神的な幼さをあらわすこともあります。
これは、風流よりも食い気が優先されることから来ています。
感性が育てられていれば、花見をしていて桜の美しさを楽しみ、ゆっくりとした時間を味わうことができます。
その一方、子供たちにとっては団子を食べることの方が大切だったりしますので、せわしない時間を過ごすことにあります。
このような精神性の違いから、雰囲気や空気を楽しむことを知らない子供っぽさを揶揄する表現としても広まりました。
「花より団子」の由来

ここからは「花より団子」の成り立ちについて見ていきましょう。
花見に行った際の様子から
「花より団子」は、花見から来た言葉とされています。
花見は、特に江戸時代に盛んに楽しまれるようになりました。
当時、花見は花を見ながら団子やお酒を楽しむものでした。
しかし、中には花を見ずに団子を食べることに夢中になったり、宴会のようにお酒に飲まれる人もいます。
その様子から転じて、風流よりも実利を選んでしまうことを「花より団子」と表現するようになったとされているそうです。
いろはかるたの一句にもなっている
「花より団子」は、いろはかるたの一句にもなっています。
いろはかるたは、江戸・尾張・上方の大きく3つあるのですが、そのうち「江戸いろはかるた」と「尾張いろはかるた」に用いられています。
このいろはかるたに採用されたことにより、「花より団子」という言葉は広まり今日に至るともされています。