マネックス時代によく一緒にお仕事をさせていただいたセゾン投信の代表取締役会長CEOである中野晴啓さんが、親会社のクレディセゾンとの路線対立で事実上解任されたというニュースがはいってきました。

退任の真相は分かりませんが、セゾン投信は中野さんの金融機関らしからぬ顧客目線の営業スタイルで個人投資家から支持を受けていました。それに共感していただけに、とても残念です。

franckreporter/iStock

今回の件で改めて実感したのは、サラリーマンの最重要クライアントは、お客様ではなく上司という現実です。

クレディセゾンの社員でもある中野さんにとっての最重要顧客は、残念ながらセゾン投信を買ってくれる個人投資家ではありません。上司である親会社クレディセゾンの経営陣です。

自分でビジネスを展開している経営者や自営業者と組織に所属するサラリーマンとの最大の違いは、誰の顔を見ながら仕事をするかです。

自分で仕事をしている人は、お客様にとって価値のある商品・サービスを提供することができなければ、ビジネスとして成り立ちません。

一方、サラリーマンは顧客から評価されても、上司に評価されなければ、仕事を続けることができません。最終的な人事評価をするのは上司だからです。