批判する前にまずは月額1290円からのサブスク
そんな本製品をパナソニックが販売した背景には、これまで食洗機市場が注目していなかった単身者世帯を開拓しようとする狙いがあるという。
「食洗機というと、従来は家族3、4人分の食器を洗うことができるファミリー向けの大型食洗機が多く、さらに工事が必要な分岐水栓型のものが主流でした。しかし近年では、水を溜めるだけで洗浄できる工事不要のタンク式食洗機がトレンドになりつつありました。そこでパナソニックは、タンク式の流れを汲んで従来開拓できていなかった一人暮らし層に目を向けたわけです。
SOLOTAのメインターゲット層は、20~30代の一人暮らしで、自炊はあまりせず、中食メインで食事を済ませるような人々。特に仕事が忙しく、食器をシンクに積み重ねたままにしてしまう人は、家事をやる暇がないため食洗機を重宝するはずだとパナソニックは考えたのでしょう」(同)
さらにパナソニックには将来への投資という意図もあるという。
「ユーザーが若いころから食洗機の便利さに気づいてくれれば、その後の人生において、たとえば結婚して家族が増えても、またパナソニックの食洗機を利用してもらえる可能性が高まりますよね。食洗機の提案というのは、面倒だった家事を自動化できる、いわばライフスタイルの転換のようなものであり、パナソニックとしても将来的なお客の確保のために一人暮らし層に切り込んだ側面もあると考えられます」(同)
便利なSOLOTAだが、一方で「一人暮らしで食洗機を使う必要はない」といった否定的な意見も見かける。
「もちろん手洗いがまったく苦じゃない人や普段自炊をよく行う人からすれば、別に食洗機を使わなくてもいいと思います。ただ否定的な意見を主張する人のなかには、実際には食洗機を使ったことがないという方もいらっしゃるでしょう。『使ってみると便利だった』という体験をして、メーカー側が意図するようにライフスタイルが変わったというケースは珍しくはありません。
ですから食洗機を使用したことがないけれどSOLOTAに否定的という方々は、一度サブスクで試しに使ってみてから存分に批判すればいいのではないでしょうか。こういったサブスクサービスは、すぐに解約されてしまったらその製品は中古扱いとなってしまうので、実はパナソニックにとってかなりリスキーな戦略です。しかし逆に考えると、それだけパナソニックがSOLOTAにかなり自信があるのだろうということがうかがえます」(同)
SOLOTAがあれば、一人暮らしでもわずらわしい食器洗いから解放され、ライフスタイルがアップデートされるかもしれない。
(取材・文=文月/A4studio、安蔵靖志/IT・家電ジャーナリスト)
提供元・Business Journal
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