米4月雇用動態調査によると、求人数は1,010万人と市場予想の977.5万人を超えました。前月の974.5万人(959.0万人から上方修正)も3.9%上回り、4カ月ぶりに増加。求人数は24ヵ月連続で失業者数を上回り、その差は2021年9月以来で最小だった前月から再び広げています。

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チャート:求人数は4カ月ぶりに増加し、1,000万人の大台も回復
(作成:My Big Apple NY)
求人数が前月比で増加した一方で失業者が減少した結果、求人数は失業者の1.79倍と2021年11月以来の低水準だった前月の1.67倍(修正値)を上回りました。
チャート:22年9月FOMCでパウエルFRB議長が「労働市場を見る上で良い手段」と発言した求人数は失業者数の1.79倍と3カ月ぶりの水準戻す
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採用者数は前月比0.8%増の611.5万人と、3カ月ぶりに増加しました。2022年3月の利上げ開始以降、前月比では14カ月間で4回目のプラスとなります。
離職者数は570.8万人と前月比4.8%減と、過去5カ月間で4回目のマイナスとなりました。解雇者数が同14.3%減の158.1万人と、2020年12月以来の水準へ膨らんだ前月を大きく下回り、離職者数を押し下げました。定年や自己都合による自発的離職者も同1.3%減の379.3万人と、過去5カ月間で4回目の減少に。自発的離職者数の減少は、米景気の先行き不安を示唆するかのようです。
なお、自発的な離職者数が減少したといっても、自動車大手GMが今年から年間10億ドルのコスト削減を目指し、早期退職制度を通じ全世界で定額給従業員5,000人を削減する方針を発表したように、”自主退職制度”を通じた離職であれば解雇者ではなく自発的離職者数にカウントされる場合があります。