V8は走り出す前から独特のサウンドで魅了。加速フィールはまさに絶品

 LC500のスペックは477ps/7100rpm、540Nm/4800rpm。いまや貴重な5リッター・V8の自然吸気エンジンは、アイドリング時から独特のサウンドを奏でる。走り出す前からすでに聴覚で楽しめるのだ。これから始まる世界を期待せずにいられない。

 走り出すと応答遅れのないリニアなレスポンスが印象的。大排気量の自然吸気V8なればこその味わいが心地いい。もちろん力感も十分だ。速さそのものでいうと、低~中速域のトルクではさすがにターボ付きにはかなわないが、そこはあえて控えめに抑えてある気もする。

 踏み込むと3500rpmあたりから解き放たれたかのように生き生きとしてくる。いかにも抜けのよさそうな乾いたV8サウンドを轟かせながら、7000rpm超まで伸びやかに吹き上がっていく。このときの加速フィールたるや、本当に「絶品」で惚れ惚れする。
 これには、緻密なサウンドの調律もプラスをもたらしているに違いない。LCはエンジンこもり音を抑えるアクティブノイズコントロールを搭載。RC・Fには、原音と調整音でサウンドメイキングを行うアクティブサウンドコントロールが搭載されている。

【エンジン車よ永遠なれ!】レクサスのV8(2UR-GSE)は、大排気量・自然吸気の傑作。リニアなレスポンス、最高のサウンドで魅了する
(画像=『CAR and DRIVER』より 引用)
【エンジン車よ永遠なれ!】レクサスのV8(2UR-GSE)は、大排気量・自然吸気の傑作。リニアなレスポンス、最高のサウンドで魅了する
(画像=『CAR and DRIVER』より 引用)

 トランスミッションに8速のトルコンATを組み合わせているのもポイントである。DCTに負けない瞬時のシフトチェンジやダイレクト感のある走りを実現しながら、DCTのようなクセはなく扱いやすい。レクサスが自然吸気エンジンとともにトルコンATにこだわる理由は理解できる。

 2UR-GSEの素晴らしいエンジンフィールをひとたび味わうと、やはり大排気量の自然吸気エンジンは最高だと実感する。500ps級の高性能車ではターボ付きが当たり前。だからなおのこと、この味わい深い世界を、できるだけ長く世に残してくれるよう願うのだ。

【エンジン車よ永遠なれ!】レクサスのV8(2UR-GSE)は、大排気量・自然吸気の傑作。リニアなレスポンス、最高のサウンドで魅了する
(画像=『CAR and DRIVER』より 引用)
【エンジン車よ永遠なれ!】レクサスのV8(2UR-GSE)は、大排気量・自然吸気の傑作。リニアなレスポンス、最高のサウンドで魅了する
(画像=『CAR and DRIVER』より 引用)

提供元・CAR and DRIVER

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