この要因は2010年代は海外不動産や物価との比較、および国内経済の回復がメインエンジンで、この3-4年は資材価格と人件費の高騰が主因です。この先の予想ですが、供給があるところには需要がついてくる状態ですので好立地である限り、まだしばらく騰勢は続くものと思います。

不動産がようやく世界基準の背中が見えそうになっているので株価もそれに倣い上昇せざるを得ないところにあります。

では日本経済のファンダメンタルズはそんなに強いのか、と言えば否です。人口減、消費パワーが強くない高齢化社会、産業も全般的に国際競争下で厳しい試練です。日経が景気討論会をやりましたが、4人の日本を代表する専門家/パネリストは24年度景気は概ね1.0%前後の上昇、株価は23年末に野村証券の社長を除き、3万円程度、為替はこれも野村證券社長を除き明白な円高を予想しています。

専門家の予想ほど外れるものはない、と言われるので参考程度に留めるにしても日本に光が当たるとしたら何だろう、と思わず考えてしまうのです。内需拡大と外国人の消費でしょうか?日本人はすっかり外国に行かなくなったのでサービス収支は相当改善しそうです。(3月の訪日外国人は約180万人、日本人の海外出国は70万人)

私がくれぐれも申し上げたいのは今の株価も不動産の一部も日本の低金利と世界比較での相対的割安感なのです。一方で日本の景気が本当に上向いたところで日銀は様々な策を打ち出し始めます。つまり冷ますのです。そうなれば外国からのマネーは次のおいしいところを探して流出するのです。これに騙されてはいけないと思います。

私の感覚では日本はミニバブルに向かっており、一部ではその果実を得ているがさほど深くはないだろうというのが予想です。

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年6月1日の記事より転載させていただきました。