セゾンの「ゴールドカードセゾン」は、西武グループの各店や電子マネー利用でポイントが2倍になるだけでなく、アソシエカード発行や国内ホテル優待が受けられるといった特徴があるクレジットカードだ。「ゴールドカードセゾン」のメリット・デメリットと、その実力を発揮する方法などを解説していこう。

目次
1,「ゴールドカードセゾン」の基本スペックと審査基準
2,「ゴールドカードセゾン」の3つのメリット
3,「ゴールドカードセゾン」の還元率
4,「ゴールドカードセゾン」のその他の特徴
5,「ゴールドカードセゾン」のデメリット
6,「ゴールドカードセゾン」はどんな人におすすめか?

1,「ゴールドカードセゾン」の基本スペックと審査基準

まずは、「ゴールドカードセゾン」の基本スペックと年収を含めた審査基準から見ていこう。

「ゴールドカードセゾン」の基本スペック

国際ブランド VISA、Mastercard、JCB
年会費 1万円(税別)
家族会員は1,000円(税別)
ポイントサービス 永久不滅ポイント
通常ポイント還元率 0.5%
ポイント交換対象 Amazonギフト券
dポイント
JALマイルなど
空港ラウンジサービス なし
付帯保険 海外旅行傷害保険(自動付帯)
国内旅行傷害保険(利用付帯)
航空機遅延費用等保険(自動付帯)
ショッピング保険
追加カード 家族カード
ETCカード
セゾンゴールド・アソシエ・
アメリカン・エキスプレス・カード

「ゴールドカードセゾン」の審査基準 年収は300万円未満でも通る?

一般的にゴールドカードの審査における年収条件は、300万円以上とされている。しかしセゾン系のクレジットカードはいわゆる「流通・小売系カード」であり、百貨店などの顧客のロイヤリティ向上を目的の1つとしているため、審査のハードルはもう少し低いと考えていいだろう。特に20代であれば、年収300万円未満でも審査に通る可能性がある。

すでに「セゾンカード」、あるいはクレディセゾン発行の他のクレジットカードを持ち、クレジットヒストリー(クレジット利用履歴)を積んでいれば、審査で有利になる。

ただし、現在の職場での勤続年数が1年未満と短い場合や、短期間で複数のクレジットカードに申し込む「多重申し込み」をしている場合は別だ。それらはいずれも審査におけるマイナス要素となるので、該当する場合は少し時間が経ってから申し込んだほうがいいだろう。

2,「ゴールドカードセゾン」の3つのメリット ツインゴールド、ホテル優待など

次に、このカードを所有することで享受できるメリットを紹介する。

メリット1,「ツインゴールド」にして特典をグレードアップできる

「ゴールドカードセゾン」では、アメックス(アメリカン・エキスプレス)ブランドのゴールドカード「セゾンゴールド・アソシエ・アメリカン・エキスプレス・カード」(以下、「セゾンゴールド・アソシエ・アメックス」)を追加して、ゴールドカードの2枚持ち、通称「ツインゴールド」にすることができる。

「ゴールドカードセゾン」は、一般的なゴールドカードによくある空港ラウンジ無料利用サービスが付帯していないため、ゴールドランクとしては少々さびしい特典内容と感じてしまうかもしれない。しかし「セゾンゴールド・アソシエ・アメックス」を追加することで、ゴールドカードらしい充実の優待・サービスを受けられるようになる。

なお「セゾンゴールド・アソシエ・アメックス」の年会費は、わずか2,000円(税別)。「ゴールドカードセゾン」と合計しても1万2,000円(税別)で済む。

「セゾンゴールド・アソシエ・アメックス」の基本スペックや、付帯する優待を整理しておこう。

「セゾンゴールド・アソシエ・アメックス」の基本スペック

国際ブランド アメックス
(アメリカン・エキスプレス)
年会費 2,000円(税別)
家族会員は1,000円(税別)
ポイントサービス 永久不滅ポイント
通常ポイント還元率 0.75%
(海外利用分1%)
ポイント交換対象 Amazonギフト券
dポイント
JALマイルなど
空港ラウンジサービス 国内主要空港+ハワイ・ホノルル
付帯保険 国内旅行傷害保険
ショッピング保険
追加カード 家族カード
ETCカード

・国内ポイント1.5倍、海外ポイント2倍
国内ショッピングで常時1.5倍のポイントアップ(ポイント還元率0.75%)、海外ショッピングでは常時2倍のポイントアップ(ポイント還元率1%)となる。

・空港ラウンジサービス
国内主要空港とハワイ・ホノルルの空港ラウンジを無料で利用できる。

・最高3,000万円の国内旅行傷害保険が付帯
「ゴールドカードセゾン」の海外・国内旅行傷害保険とは別に、最高3,000万円の国内旅行障害保険が付帯する(旅行代金をカードで支払った場合)。また、年間300万円限度のショッピング保険も用意されている(1万円未満の損害は対象外)。

国内旅行傷害保険(利用付帯)

保険項目 補償金額
(本会員)
補償金額
(家族会員)
障害死亡・後遺障害 3,000万円 1,000万円
入院日額 5,000円 5,000円
通院日額 3,000円 3,000円

・アメリカン・エキスプレス・コネクト
専用サイト「アメリカン・エキスプレス・コネクト」に掲載された特典や優待キャンペーンを利用できる。優待内容は、割引やお買い物券プレゼント、キャッシュバック、ポイントアップ、アジアの人気渡航先におけるホテル・レストラン・ショップの優待などだ。

2,000円でこれらの優待を追加できるのは、お得感が強いだろう。

メリット2,国内ホテル宿泊優待で最高級ホテルもお得に泊まれる

最高級ホテルをはじめ、国内ホテルの宿泊優待を利用できるのも大きなメリットだ。該当するホテルを予約する際、「ゴールドカードセゾンの会員である」ことを伝えるだけで利用できる。料金が割引になるだけでなく、ホテルによってはレイトチェックアウトや朝食サービスなどの優待も受けられる。

優待提供ホテルの一部と優待内容を一覧にした。
 

ホテル名 優待内容
ホテルオークラ札幌 優待料金
ウェルカムドリンク
レイトチェックアウト
グランドニッコー東京 台場 優待料金
コンラッド東京 優待料金
ザ・ペニンシュラ東京 朝食サービス
ザ・リッツカールトン東京 最安価格から10%オフ
シェラトン都ホテル東京 優待料金
シャングリ・ラ ホテル 東京 優待料金
レイトチェックアウト
パークハイアット東京 優待料金
ホテル椿山荘東京 優待料金
朝食サービス
スパ施設半額
ホテルニューオータニ(東京) 優待料金
朝食サービス
ホテルオークラ東京ベイ 優待料金
朝食付きプラン割引
ヒルトン成田 優待料金
駐車場7日間無料
プール・サウナ優待料金
ヨコハマ グランド
インターコンチネンタルホテル
最安料金より5%オフ
朝食割引
ウェスティン都ホテル京都 優待料金
京都ホテルオークラ 優待料金
レイトチェックアウト
大阪マリオット都ホテル 優待料金
帝国ホテル大阪 優待料金
ホテル・アゴーラ
リージェンシー大阪堺
優待料金
レイトチェックアウト
リーガロイヤルグラン沖縄 レイトチェックアウト
朝食サービス
駐車場無料など

メリット3,Visa、Mastercardのゴールドランク向けサービスも利用できる

国際ブランドにVisaかMastercardを選ぶと、それぞれが提供する旅行に便利なゴールドランク向けサービスを利用できる。サービス内容は以下のとおりだ。

《Visa提供のサービス》

  • Visaゴールド海外Wi-Fiレンタル……海外で利用できるWi-Fiルーターのデータ通信料金が25%オフ。
  • Visaゴールド国際線クローク(一時預かり)……国際線利用の際、空港の手荷物一時預かりサービスが15%オフ。
  • Visaゴールド空港宅配……国際線利用の際、空港から自宅までの復路(帰国時)は1個目500円(税込)、2個目以降15%オフ。自宅から空港までの往路(出国時)は1個目から15%オフになる。

《Mastercard提供のサービス》

  • 海外携帯電話、WiFiルーターレンタル優待サービス……海外で利用できる携帯電話とWi-Fiルーターを優待価格でレンタルできる。
  • 空港クローク優待サービス……海外旅行への出発時、空港でコートなどの防寒具を帰国時まで預かるサービスを優待価格で利用できる。
  • 国際線手荷物宅配優待サービス……手荷物を空港から自宅まで優待価格で宅配してもらえる。

3,「ゴールドカードセゾン」のポイントサービスと還元率 電子マネー利用で還元率アップ!

クレジットカード選びでは、ポイントサービスの内容も重要なポイントだ。「ゴールドカードセゾン」のポイント還元率は、どのくらいなのだろうか? また、どんなポイントアップの仕組みが用意されているのか?

貯まるポイントと還元率――通常還元率は0.5%

貯まるポイントは、セゾンカード共通の「永久不滅ポイント」。これは名前のとおり有効期限のないポイントで、クレジット支払い1,000円ごとに1ポイント(約5円相当)が貯まる。ポイント還元率は、0.5%と考えていいだろう。

ポイントの交換対象――JALマイルにも、ANAマイルにも交換できる

ポイントは賞品に交換できるほか、各社ギフト券、ポイント、マイルに交換することもできる。また、ショッピングの支払いにも充当できる。
 

交換対象 交換ポイント 必要ポイント(永久不滅ポイント)
nanacoポイント 920P 200P
Amazonギフト券 1,000円分
Pontaポイント 900P
dポイント 1,000P
au WALLET ポイント
JALマイル 500マイル
ANAマイル 600マイル
UCギフトカード 2,000円分 500P
JTB旅行券 5,000円分 1,200P
ショッピング支払いに充当 900円分 200P

交換対象によるが、おおよそ1ポイント→4円~5円相当のレートだ。また、JALマイルへは1ポイント→2.5マイル相当(マイル還元率0.25%)、ANAマイルでは1ポイント→3マイル相当のレート(マイル還元率0.3%)で交換できる。

ポイントアップの方法――電子マネー利用でポイント2倍!

セゾンのクレジットカードでは、おサイフケータイ機能で利用できる電子マネー「セゾンiD」利用分のポイントが2倍になるので積極的に活用したい。また事前登録の上、「セブン-イレブン」でセゾンのクレジットカードを利用すると、永久不滅ポイントとnanacoポイントの両方が貯まる。

ポイントサイト「セゾンポイントモール」経由のネットショッピングでは、ポイントが最大30倍になる。

さらにゴールド会員限定で、西武百貨店、ロフト、ザ・ガーデン自由が丘、パルコ、無印良品各店でポイントが2倍になるサービスも用意されている(無印良品、ロフト、ザ・ガーデン自由が丘は一部対象外店舗あり)。

4,「ゴールドカードセゾン」のその他の特徴

旅行や日常の生活で活用できる「ゴールドカードセゾン」の特典・サービスには、以下のようなものがある。

特徴1,最高3,000万円の海外・国内旅行傷害保険

最高3,000万円の海外・国内旅行傷害保険が付帯する(国内はカードで旅行代金を支払った場合のみ付帯)。また、最高10万円の航空機遅延費用等保険や、年間300万円限度のショッピング保険(1万円未満の損害額は対象外)も付帯する。

海外旅行傷害保険

保険項目 補償金額(本会員) 補償金額(家族会員)
傷害死亡・後遺障害 3,000万円 1,000万円
傷害治療費用 100万円 100万円
疾病治療費用 100万円 100万円
賠償責任 2,000万円 2,000万円
携行品損害 50万円 50万円
救援者費用 100万円 100万円

国内旅行傷害保険

保険項目 補償金額(本会員) 補償金額(家族会員)
傷害死亡・後遺障害 3,000万円 1,000万円
入院日額 5,000円 5,000円
通院日額 3,000円 3,000円

航空機遅延費用等保険

保険項目 補償金額
出発遅延・欠航・搭乗不能費用 3万円限度
寄託手荷物遅延 10万円限度
寄託手荷物紛失 10万円限度

航空機遅延費用保険は他社ゴールドと比べて補償金額が多いが、海外・国内旅行傷害保険の補償金額は少ない印象だ。

特徴2,ゴルフデスク

全国約200ヵ所のゴルフ場の案内・予約に対応してくれるゴルフデスクを利用できる。また、ゴールド会員限定のゴルフコンペを年に数回、日本有数の名門コースで開催している。

特徴3,ハーツレンタカー優待

世界145ヵ国、1万拠点以上のハーツレンタカーが5~20%オフ。さらに「ゴールドカードセゾン」会員は、米国(ハワイを含む)とカナダのハーツレンタカーでワンランク上の車種に無料でアップグレードできる。

特徴4,ホームセキュリティサービス「ALSOK」特典

企業警備で定評のあるセキュリティサービス「ALSOK」の家庭向けプランに申し込むと、キャッシュバックを受けられる。

特徴5,出光美術館優待

東京・丸の内の「出光美術館」でカードを提示すると、入館料が割引される。

特徴6,西友・リヴィンでの優待

セゾンカードに共通する特典・サービスだが、西友・リヴィンで毎月第1・第3土曜日は5%オフになる。

5,「ゴールドカードセゾン」のデメリット 1枚だと物足りない印象

「ゴールドカードセゾン」の最大のデメリットは、年会費1万円のゴールドカードであるにもかかわらず、空港ラウンジサービスが付帯しないことだ。ここだけ見ると、ゴールドカードとしてはスペック不足と言わざるを得ない。また通常のポイント還元率が0.5%であることも、魅力に欠ける。

ただし、2,000円で「セゾンゴールド・アソシエ・アメックス」を追加してツインゴールドとしたときに、このカードは真価を発揮する。

まず、「セゾンゴールド・アソシエ・アメックス」の特典によって、ポイント還元率は国内で0.75%、海外で1%となる。「ゴールドカードセゾン」の特典では、西武百貨店や無印良品などでポイント還元率が1%となる。これなら、高還元率カードに迫る水準だ。

また、「セゾンゴールド・アソシエ・アメックス」には空港ラウンジサービスが付帯するほか、VisaまたはMastercardのサービスに加えてアメックスの優待も利用できる。国内ホテルの優待もかなり充実しており、ゴールドカードとしても十分なスペックと言えるだろう。

6,「ゴールドカードセゾン」はどんな人におすすめか?

前述のとおり、このカードは「ゴールドカードセゾン」と「セゾンゴールド・アソシエ・アメックス」の2枚持ち(=ツインゴールド)にしたときに真価を発揮するので、この2枚は常にセットで考えるべきだ。それを前提にすると、国内空港ラウンジと国内ホテル優待の充実した「ゴールドカードセゾン」は、特に国内旅行の多い人がお得に使えるカードと言える。

なお、「セゾンゴールド・アソシエ・アメックス」は、加盟店数が比較的少ないアメックスブランドである。利便性を考えると、「ゴールドカードセゾン」のほうはVisaブランドかMastercardブランドを選んだほうがよさそうだ。

文・モリソウイチロウ(ライター)
 

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