「のむ」の漢字表記には「飲む」と「呑む」があります。
ビールを飲むともビールを呑むとも表現しますので、この2つの使い方は同じかと思いきや、違いがあるとされることがあります。
「飲む」が液体、「呑む」が個体を対象とする、という事もありますが、他にも使い分けはあるようです。

そこでここでは、「のむ」の漢字表記となる「飲む」と「呑む」についてそれぞれ解説していきます。

「飲む」とは

【のむ】「飲む」と「呑む」の違いは?お酒は飲む?それとも呑むなの?
(画像=『FUNDO』より 引用)

まずは「飲む」の対象や動作、成り立ちについて見ていきましょう。

「飲む」の対象や動作

「飲む」の対象は、原則として液体だとされています。
ジュースやお茶などは基本的に「飲む」を使います。
特に噛まずに流し込むことができるものは「飲む」を使います。

「飲」の成り立ち

飲は、「今+酉+欠」という3つの要素で構成された漢字です。

「今」は、「ある物をすっぽり覆う」様子をあらわしています。
「酉」は、お酒が満ちている「酒器」の象形となります。
そして「欠」は、「人が口を開けている」様子となっています。

つまり、「飲」という漢字は、人が口を開けてお酒を飲む様子をあらわしているのです。

「呑む」とは

【のむ】「飲む」と「呑む」の違いは?お酒は飲む?それとも呑むなの?
(画像=『FUNDO』より 引用)

次に「呑む」の対象や動作、成り立ちについて見ていきましょう。

「呑む」の対象や動作

「呑む」が使用されるのは、普通は飲まないものとされることがあります。

捕食者が獲物を狩るときなどに「呑む」を用います。
「ヘビがカエルを丸呑みする」といった使い方がありますね。

このように、個体のようなものを丸ごと飲み込む様子に「呑む」が使用されることがあります。

「呑」の成り立ち

「呑」は、「天+口」の2つの要素で成り立つ漢字です。
天は、「喉」をあらわしています。
口は、そのまま「口」のことです。

「吞」に飲み込むという意味があるのは、この口や喉といった食事に用いる器官をあらわしているからです。