米4月個人消費など一連の結果は、以下の通り。

米4月個人消費支出は前月比0.8%増と、市場予想の0.4%増を上回った。前月の0.1%増(横ばいから上方修正)を上回り、4カ月連続でプラスとなった。

〇個人消費支出

個人消費の結果は以下の通り。名目ベースは増加した半面、インフレを除く実質ベースは減少した。

・前月比0.8%増と4カ月連続で増加、市場予想の0.4%増を上回る、前月は0.1%増(前月の横ばいから上方修正) ・前年比では6.7%増と21年1月以降の増加トレンドを維持、前月は6.2%増 ・実質ベース前月比0.5%増、前月は横ばい ・前年比では2.3%増と21年3月以降の増加トレンドを維持、前月は2.0%増

耐久財は自動車・部品が前月比3.8%と押し上げたほか、家具も同0.6%増とそろって3カ月ぶりに増加した。一方で非耐久財はガソリンが価格の上昇もあって同1.8%増と増加したほか、アルコール類も3カ月ぶりに増加し1.1%増、食品・飲料、服飾なども堅調だった。サービスは映画館が50%以上も急伸したほか、ヘルスケアも同0.7%増と強い伸びを保った。

個人消費支出の内訳(前月比ベース) ・財 1.1%増と3カ月ぶりに増加、前月は0.8%減 ・耐久財 1.6%増と3カ月ぶりに増加、前月は1.2%減 ・非耐久財 1.6%増と増加に反転、前月は0.5%減 ・サービス 0.7%増と26ヵ月連続で増加、前月は0.5%増

チャート:個人消費、前月比の項目別内訳

pce23apr_s_mom (作成;My Big Apple NY)

チャート:個人消費、前月比ベースでの名目と実質の違い

pce23apr_real_s (作成:My Big Apple NY)

〇個人所得

米4月個人所得は前月比0.4%増と、市場予想と一致した。前月の0.3%増を超え、15カ月連続で増加した。

個人所得の結果は以下の通り。

・前月比0.4%増と15カ月連続で増加、市場予想の0.4%増と一致、前月は0.3%増 ・前年比では5.4%増と13ヵ月連続で増加、前月は5.2%増 ・実質ベースは前月比横ばい、前月は0.2%増 ・前年比では1.0%増と4カ月連続で増加、前月は1.0%増

個人所得のうち、名目ベースで賃金・給与は26ヵ月連続で増加し伸びも再加速した。また、家賃収入が引き続き力強い伸びとなり全体を支えた。なお、米疾病対策センター(CDC)は21年8月、新型コロナウイルス感染予防策対策として、感染率が高い地域を対象に新たに21年10月3日まで住宅立ち退き猶予期間を設定。しかし、家主や不動産団体が撤回を求め提訴し、米連邦最高裁判所が21年8月26日に無効の判断を下したため、販売用物件の減少も重なって家賃の上昇が進行した。足元、新規契約分の家賃は前月比で下落が指摘されているが、家賃は基本1~2年契約のため、下落が反映されるまでラグを伴う傾向がある。

所得の内訳は、名目ベースの前月比で以下の通り。

・賃金/所得 0.5%増と26ヵ月連続で増加(民間は0.5%増、政府部門は0.4%増)、前月は0.3%増 ・経営者収入 0.4%減と3カ月連続で減少(農業は4.3減、非農業は0.2%減)、前月は0.1%減 ・家賃収入 1.5%増と15ヵ月連続で増加し2022年5月以来の高い伸び、前月は1.4%増 ・資産収入 1.0%増と15ヵ月連続で増加(金利収入が1.3%増、配当が0.7%増)、前月は0.4%増 ・社会補助 0.4%減、前月は0.1%増 ・社会福祉 0.4%減、前月は0.1%増(メディケア=高所得者向け医療保険は0.3%増、メディケイド=低所得者層向け医療保険は0.1%減、失業保険は0.4%増、退役軍人向けは0.7%増と増加基調を維持、その他は3.4%減)

チャート:個人所得、前月比の項目別内訳

pce23apr_i_mom (作成:My Big Apple NY)

〇可処分所得 ・前月比0.4%増と15ヵ月連続で増加、前月0.3%増 ・前年比は7.9%増と12ヵ月連続で増加、前月は7.6%増 ・実質ベースの可処分所得は横ばいと増加トレンドを9カ月で止める、前月は0.2%増 ・前年比は3.4%増と4ヵ月連続で増加、前月は3.3%増