新しく日銀総裁に就任した植田和男氏のもとで4月27〜28日、初の金融政策決定会合が開かれた。マーケットはイールドカーブ・コントロール(YCC)の変更について何らかの動きがあるのではないかと見る向きもあったが、蓋を開けて見ると、これまでの黒田体制で採用された政策をそのまま踏襲しており、現状維持を決めたことから、やや失望する声も上がって、為替市場では一時円安に動く場面もあった。
現状維持の金融政策の中身を確認すると、第1に短期金利は▲0.1%のマイナス金利を適用する。長期金利はゼロ%で推移するよう、上限を設けず長期国債を買い入れる(イールドカーブ・コントロール/YCC)。第2に長期金利の変動幅を「±0.5%程度」とし、0.5%での指値オペを実施、金融市場調節方針と整合的なイールドカーブの形成を促すため、大規模な国債買入れを継続する。第3は長期国債以外の資産買入方針については、
(1)ETFとJ-REITの買入れはそれぞれ年間12兆円、1,800億円に相当する残高増加ペースを上限に、必要に応じて、買入れを行う
(2)CP等、社債等については感染症拡大前と同程度のペースで買入れを行い、買入れ残高を感染症拡大前の水準(CP等:約2兆円、社債等:約3兆円)へと徐々に戻していく
というものである。
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