「ストロングポイントを活かせるチーム」
DF小田逸稀
間違いなく、新潟戦のヒーローだった小田。後半26分から途中出場すると、クロスでFW鶴野怜樹のゴールをアシストし、さらに後半41分にはFW佐藤凌我のクロスに得意のヘッドで合わせ決勝点を奪取した。
ー昨日(新潟戦)の1ゴール1アシストを振り返ってください。
小田:(FW鶴野怜樹、同点ゴール)アシストのシーンはこっち側(左サイド)にボールが転がってきて、時間帯によっては取りに行かない場面だったかもしれないんですけど、負けている状況だったし、点を取りに行けと言われていたので、リスクを背負ってボールを拾いに行きました。先に触れたので、あとは抜けなくてもコーナーキックを取れればいいかなと縦に仕掛けて、中を見ずに目の前の相手に当てないようにクロスを上げたら、(鶴野が)そこに入ってきてくれたという感じです。ゴールシーンは、凌我があそこでボールを持った時になんとなくあそこにボールが上がってくるかなと思っていたら、狙い通りのところに来たので、あとは強いシュートを枠に入れるだけでした。
ー東福岡高校時代の同級生でもある佐藤凌我選手は、アシストはあるものの、ゴールを奪えていません。仲間として同級生として、どのように支えているのでしょうか。
小田:本人(佐藤)も気にしているとは思うんですが、僕は同級生として1番長く一緒にいて分かっているので、あえてめちゃくちゃいじっています。『お前はまだ0ゴールなのに俺はもう2点も取っているぞ』と言ってみたり、シュートの仕方を教えてあげたり、そういう感じです(笑)
ー少し前に、自分は得点があまり取れないのかなと話していました。今はどのように考えていますか?
小田:あの時は(第8節:アルビレックス新潟戦)、やっと1点取れた時だったと思うんですけど、シーズンも中盤に差し掛かってきたこのタイミングでの2ゴール1アシストというのは自分が思っていたところにはまだ足りません。FC東京戦(第11節)もシュートを打つ場面がありましたし、もっと点を取れたかなと思うので、もっと落ち着いてシュートを打てるように日頃から練習したいなと思います。
ー小田選手のヘディングが注目を浴びていますが、そのジャンプ力はトレーニングで得たのですか?それとも気が付いたらあったのでしょうか。
小田:小学生の頃から、コーナーキックから頭だけでハットトリックしたりしてましたし、昔から低いボールでも頭で行くような、FW岡崎慎司さん(現シント=トロイデン所属)のようなプレースタイルでした。それにプラスで(東福岡)高校時代にもゴールキーパーにボールを蹴ってもらってヘディングの練習をいっぱいしていたので、感覚と練習の成果かなと思います。
ー次節の相手、横浜F・マリノスは攻撃的なチームです。守備におけるポイントを教えてください。
小田:誰とマッチアップするかで変わると思うんですけど、ボールを持ってリズムを出すのが好きな選手だったらできるだけ最初からボールを持たせない、受けられないようなポジショニングをとっていく。スピードのある選手だったらサイドをケアしつつ、という感じになると思うんですけど、こっち側(担当のサイド)はまずやらせないようにしたいです。
ー「このような守り方をしたい」というものがあれば、教えてください。
小田:新潟戦が終わったばかりなので、まだ全然考えていないのですが、でも、アビスパ側から主導権を持ってFWから守備のコースを限定していければいいかなと思います。チームとして前からの守備に自信がありますし、それを剥がされたとしても、11人で守れる自信があるので、マリノス戦は(失点)0で抑えられると思いますし、抑えたいなと思います。
ールヴァン杯の新潟戦で、今季アウェイ初勝利を挙げたことは、気持ちの面でプラスになったりするのでしょうか。
小田:アウェイで勝てていなかったというのは、僕はあんまり気にしていません。チーム全体としては昨日勝ったというので、気持ちはだいぶ前向きにやっていけるんじゃないかなと思います。
一現時点でのリーグ戦12試合出場は、J1でのキャリアハイです。活躍の要因として、自分で成長や進化を感じる部分はありますか?
小田:まず、チーム全体として僕のストロングポイントをすごく理解してくれていて、それを活かそうとしてくれるのでやりやすい、というのがあります。あと(チーム戦術の)大前提としてボールを失わないゾーンが決められていて、前線に収められる選手がいるので、困ったらそこを目掛けて蹴っていいというのがあって、余裕を持ってプレーできているのかなと思います。