東慶悟(2011-2012大宮所属)

今ではすっかりFC東京の顔として知られるMF東慶悟だが、デビュー間もない2011、2012シーズンは大宮に所属していた。その間、東はアルベルト・ザッケローニ監督が率いるA代表(※)候補への選出もされており、また2012年ロンドン五輪の本大会にも背番号「10」を着けて出場。日本のベスト4進出に大きく貢献した。

近年はベンチスタートとなる試合も増えたが、いざ出場すれば安定感あるボール回しは健在。そして何より球際の激しい守備で広いエリアをカバーする能力は、ベテランとなったことでさらに凄みを増している。

現在の大宮も、中央は中堅もしくはベテランと呼べる世代の選手で構成しているが、それでも攻撃面に大きな課題を抱え、流れの中からの得点がそう多くない現状だ。東の展開力はぜひとも欲しい能力である。また、守備面でも高い危機察知能力と攻撃を止める技術は、そのまま勝ち点に直結する要素となり得る。そろそろ「引退」の2文字がちらつく年齢(32歳)になっているだけに、古巣へ帰ってきてほしいと願う声は多そうだ。

※A代表:年齢制限のない代表チーム


元大宮アルディージャ MF翁長聖 写真:Getty Images

翁長聖(2020-2021大宮所属)

2023シーズンJ2リーグを席巻している町田ゼルビア。なかでも、攻守に渡って豊富な運動量でチームに貢献しているのがMF翁長聖だ。圧倒的なスタミナを武器に、今季ここまでの17試合はほぼフル稼働。好調のチームを支える活躍を見せている。運動量を武器にした献身的な上下動もさることながら、攻撃力も大きな魅力だ。

第2節ザスパクサツ群馬戦(2月26日2-0)では芸術的なフリーキックを沈め、古巣である大宮戦でもグラウンダーの鮮やかなシュートでネットを揺らし勝利に大きく貢献している翁長(5月3日1-0)。また、ロングスローからも度々チャンスを創出しており、今季より町田を率いる黒田剛監督の攻撃バリエーションを増やすことにも一役買っている。

翁長が主戦場とする左サイドバックを、今季の大宮ではDF茂木力也が務めている。茂木も現時点で翁長と並ぶ2ゴールをマークしており、不調のチームにおいて攻撃面で大きな存在感を示していると言える。しかし、首位町田で輝く翁長の姿を見れば、帰還を求める声があるのも不思議ではない。