バドライト

米大手ビールメーカー、アンハイザー・ブッシュの主力ブランド「バドライト」が売り上げを大きく落としているという。

今月、同社がトランスジェンダーのインフルエンサー、ディラン・マルヴァニー(Dylan Mulvaney)(26)とパートナーシップを提携したことが明らかになったが、これに対して保守派を中心に反発の声が広がっていた。

ニューヨークポスト紙が市場調査会社のデータをもとに報じたところによると、4月15日を最終日とする1週間の売り上げは前年に比べ17%減少、数量は21%減少した。

代わりに競合がシェアを伸ばし、先週、バドライトが市場シェアを6.7%落とす一方で、クアーズとミラーライトはともに18%上昇したという。

マルヴァニー氏は今月1日、インスタグラムに、#budlightpatnerとともに、自身のイラストの入ったバドライトの缶を飲む動画を投稿した。これに対して、SNSでは企業の取り組みを賞賛する声がある一方で、「完全にウォーク化した」「消費者のデモグラフィックに合っていない」などの批判が相い次いだ。

ロックミュージシャンのキッド・ロックは3日、バドライトに向けて銃を乱射し、中指を立てながらアンハイザーを罵る動画を投稿。カントリーミュージックのシンガーソングライター、トラヴィス・トリットも、同社とのパートナーシップ契約を解消すると発表した。

一連の騒動は、アンハイザー・ブッシュのブレンダン・ウィットワース最高経営責任者が釈明を発表する事態に発展した。

ウィットワース氏は今月14日、「アメリカに対するわれわれの責任」と題した声明で、「人々を分断する議論に加わるつもりはなかった。われわれはビールを通じて人々を一つにするビジネスをしているのです」と釈明。165年前にアメリカの中部で創業した企業のトップとして、「すべての消費者が、われわれが造るビールに誇りを感じるようにする責任がある」とし、「全米の消費者に素晴らしいビールを届けるために、たゆまない努力を続けていく所存です」と表明した。