公明党は、衆院選挙区定数の「10増10減」で新設される東京28区からの候補者擁立を決め、自民党に候補を立てないように要請していたが、自民党がこれを拒否したために、次期総選挙での東京都下のすべての選挙区で自民党候補の推薦を見送る方針を固めた。

また、都議会や都議会議員選挙での協力のストップするという。

公明側は、自民は当初、28区の候補はいないと説明したので、候補擁立を決定したが、後になって自民が別の候補を立ててきたのだという。そこで、事実上の空白区となっている東京12区、15区を譲る案も提示したが、話がまとまらなかった。

公明党・自民党HPより

このことについて自民党の保守派の一部には、「これで公明党の顔色を見なくてよい」とかいう声もあるが、そんな単純な話ではない。というのは、これまでのように、どこの選挙区でも公明党に標準的な協力をしていればよかったのが、個別に対応をさじ加減されるのだから、これまで以上に自民党の候補者は公明党の顔色を見ざるを得ないことになる。

自民党に全面協力しないと言っても、どの程度、自民党候補に投票し、どの程度野党に回ることを容認するのか、棄権はしないのか、等いくらでもやりようがあるからだ。

そのあたりは、拙著「日本の政治「解体新書」: 世襲・反日・宗教・利権、与野党のアキレス腱」(小学館新書)でも詳しく書いてある。

しかし、自民党の公明党への強気は、岸田首相や茂木幹事長が憲法改正をやる気がないということともとれる。