首相官邸HPより

会長・政治評論家 屋山 太郎

G7とウクライナ連合対中・露の対立はG7の圧勝といった形になった。岸田外交は望外の成功となった感がある。

米国がG7側にF16戦闘機の供与方針を固めたことで、G7側の軍事的強化と結束が固まり、一方の中国はロシア離れしたい思惑が見える。

グローバル・サウスと呼ばれる国々も今後の経済発展を考えれば、G7側にピタリと寄ってくるのではないか。米国を含めG7はこれまで技術、経済面で中国に侵略される一方だったが、“技術封鎖”の執念はこれまで以上に強化されるだろう。

プーチン大統領の無法は世界中に認知され、嫌われた。中国にぶら下がって経済を建て直すのは無理だろう。経済指標が統一化されていないが、中国の若手失業率は初の2割を超えたという。中国のIT大手の業績も回復せず、経済回復の目途は立っていない。

また、イタリア政府が半島を南北に貫く「一帯一路」の事業から脱退する気配もある。中国にとってプラスの要因は極めて少ない。

中国にぶら下がるしかないプーチンのロシアがいつまで中国を頼りにできるか。中国も自国の復興や技術や資源の再配置をうまく乗れるのだろうか。