究極のダイエットである“不食”だが、減量や健康のためではなく、17年間も炭酸飲料だけで生きている驚きの人物がいる。いったいどういうわけなのか――。

食欲がなくなる謎の症状

 ペプシコーラは“完全栄養食”だった!? イランのゴラムレザ・アルダシール(58歳)さんはこの17年間、固形の食べ物はいっさい口にせず、ほぼ炭酸飲料だけを摂取して健康的で普通の生活を送っているというから驚きだ。

 グラスファイバー製品の修理工をしているアルダシールさんは、1日にペプシコーラなどの炭酸飲料を3リットル飲み、1日4時間睡眠でこの17年間を過ごしているという。そんなことが可能なのかと疑問が膨らむばかりだが、嘘でもなんでもないことを本人に加えて家族も証言しているのだ。

17年間「3Lのペプシ」だけを飲んでいる不食人間の謎! 4時間睡眠で健康状態も良好
(画像=ゴラムレザ・アルダシールさん 「Daily Star」の記事より,『TOCANA』より 引用)

いったいどういうことなのか。すべては2006年にはじまったという。

 同年のある夜、就寝中だったアルダシールさんは口の中に違和感を覚えて目を覚ましたのだった。

「奇妙な感覚がありました。髪の毛のようなものが口の中にあるような気がしました。この髪の毛の先端は口の中にあり、一方の端はお腹の中にあるように感じました。何をしてもこの毛を取り除くことはできませんでした」(アルダシールさん)

 突如感じるようになった違和感にアルダシールさんは戸惑うばかりだった。そしてこの違和感によって食事をしようという気にはまったくなれなくなったのだ。

「髪の毛が喉に引っかかるようで、窒息するような感じでした。とてもきつかったので、どうしたらいいのかわかりませんでした。うまく説明できませんが、クレイジーな気分でした」(アルダシールさん)

 アルダシールさんは、何人もの医師の診察を受けたがいずれも診断がおりなかった。友人知人が紹介してくれた医師でも彼の奇妙な症状を理解することができなかったのだ。

「朝から晩まで診察室か病院にいましたが、誰も私の病気を診断できませんでした。口の中には髪の毛はありませんでしたが、その感覚は異常でした」(アルダシールさん)

 評判の高い専門医にも診せたが、いっこうに診断が下らずに治療をはじめることができなかった。

「この感情を取り除くために、腎臓専門医と血液専門医が精神科医に行ったほうが良いと言われ、精神科医を紹介してくれるまで、考えられるすべての医師を訪ねました」(アルダシールさん)