高速道路や急な上り坂で見かける「登坂車線」とは?

高速道路や急な上り坂がある道路で見かける「登坂車線」の看板。どんなときに走行してよいのか、いまいちピンと来ないという方もいるでしょう。
NEXCO東日本によると、登坂車線とは「斜度のきつい上り坂に設置されている車線で、斜度がきついためやむを得ず、最低速度(50km/h)を切る車が、低速走行できるように設置している車線」とのことです。
つまり、登坂車線は速度が遅い車が走行するために設置されている車線で、高速道路の最低速度(50km/h)を下回る速度で走行しても問題ない車線となります。
また、国家公安委員会が作成している「交通の方法に関する教則」には、「登坂車線のある道路では、荷物を積んだトラックなど速度の遅い車は、登坂車線を利用しましょう」と明記されています。
以上のことから、登坂車線は上り坂を走行する際、最低速度を下回ってしまうおそれがある車が使う車線であるといえます。
登坂車線から追い越しをしてもいいの?

破線で区切られている登坂車線は、加速や合流のための車線とよく似ています。しかし、登坂車線から追い越しするのはNGです。
先述したとおり、登坂車線は速度が遅い車のために設置されている車線であるためです。
教習指導員の資格を持つ方によると「登坂車線は、速度が遅い車が走行するために用意されている車線です。よって、原則として、登坂車線を使って本線道路の車を追い越してはなりません。前を走る遅い車を追い越したいのであれば、道路交通法にも書かれているとおり、追い越したい車の右側から追い越すのが基本です」とのことでした。
そもそも、登坂車線を使って追い越しをすると、追い越したい車の左側から追い越すことになってしまいます。追い越しは追い越したい車の右側から行わなければならないため、登坂車線を使っての追い越しは道路交通法違反となり、加点2点と反則金9,000円(普通車の場合)が課せられることとなります。