1985年に登場したGSX-R750で初めて採用された油冷エンジン。

エンジンオイルを冷却媒体として使用することで、水冷よりも軽量でコンパクトなエンジンを実現し、同時に水冷エンジンと同等の高出力を発揮することができた。
油冷エンジンは、空冷エンジンのシンプルさと水冷エンジンの冷却効率を両立させたものだったのだ。

その後、同GSX-Rシリーズをはじめ、GSF1200、INAZUMA、Goose、DR800、ジェベル250、イントルーダー1400など、多くのモデルに搭載。
その独特のスタイルと性能は多くのファンを魅了し、スズキのフラッグシップエンジンとして長きにわたり君臨した。
2008年にGSX1400が生産終了したことで、スズキの油冷エンジンは歴史の幕を一旦閉じることとなる。理由は、排出ガス規制の強化と、水冷エンジンの性能向上などが挙げられる。

しかし、2019年にジクサー250/SF250が登場! 11年ぶりにスズキの油冷エンジンが復活したのだ。

軽量コンパクトで扱いやすく素直なハンドリングのジクサー250/SF250は、使い方やライダーを選ばない気軽さがポイント。そして他ライバルと比べて非常にリーズナブルな価格設定なのも嬉しいところ! 詳しい車両のインプレはときひろみちゃんが試乗しているので、そちらをチェックしてほしい。

さらには2023年のモーターサイクルショーででは、スズキのブースに250ccの油冷単気筒エンジンを搭載したVストロームSXが展示された。
これは日本に未導入のモデルで、ジグサー250をベースに2022年にインドで発表されたモデル。
2022年のVストロームミーティングでは日本国内での販売は2023年の後半を予定しているとアナウンスされた。

スズキの油冷エンジンにこれからも注目したい!

750クラスの貫禄ある車格が魅力
INAZUMA(1997)

GSF750の油冷エンジンをベースに新開発した、スズキの400ccクラス初の油冷エンジン。スムーズな低・中速域と、伸びのある高回転域を実現し、街乗りからワインディングまで扱いやすくて乗りやすい。750クラスの車格で400ccとは思えない存在感と迫力があるが、760mmとシート高は低く足着きも良好だ。

エンジン:油冷4サイクル直列4気筒 DOHC4バルブ
排気量:399cc