CUBA, GASOLINA EN FALTA ABSOLUTA.23-05-2023.

社会主義国家キューバにとってメーデーは重要な日だ。ところが、今年5月1日の労働者の祭典は実施されなかった。キューバ革命から現在まで、この祭典が行われなかったのは2度しかない。最初はコロナ禍による感染危機で中止となった。そして2度目は今年の祭典が中止となったことである。理由は全国規模の深刻なガソリン不足からである。ガソリン不足で交通手段が完全に停止している。

「これは我々にとって地獄だ」と言っているは車の所有者だ。およそ1年前から長い行列がガソリンスタンドの前に出来ているという。一日かけて車にガソリンを給油することが頻繁にあるそうだ。ひと月前からそれがさらに深刻になっている。

例えば、首都ハバナではガソリンスタンドで営業しているのは僅か4か所だけ。その影響で長蛇の列はますます長くなり、その近辺で料理をしたり、ドミノゲームをして時間をつぶす人が増えているという。

運転手同士で殴り合いも発生するようになっているそうだ。外国の大使館や領事館の車にはガソリンの供給が優先的に割り当てられているが、異なった国の外交官同士の間でも争いが生じているという。

政府はこの混雑を和らげるために車の所有者の身分証明や車のプレートナンバーの提出を求めている。それによって長蛇の列を解消させ、当人にガソリンを供給できる時点になった時にそれを通知するというものである。

現在のところ、一人当たり最高40リットルまで給油できるとしている。しかし、次の給油には3日間待たねばならない。ガソリンスタンドでは日毎7000から9000リットルを給油に充てているそうだ。しかし、これも地方になるとガソリン不足はさらに深刻になっているという。

キューバはいつもベネズエラから安価で原油が提供されている。その前はソ連からであった。しかし、今年4月は3月と比較して日量6000バレル少ない4万5000バレルが同国から送られて来た。またそれは2月分と比較しても2万7000バレル少ない量だ。即ち、毎月贈られて来る量が減少しているということである。