夫婦の性生活にも関わってくる間取りの問題
夫婦生活を悪化させてしまう間取りに関する要因は他にもあるという。
「子供がいる家庭で、片方があまり性行為に積極的ではない場合などは、間取りの影響があるかもしれません。性生活というのは極めてプライベートなものなので、それを営む空間も家の中で一番プライバシーが確保されるべきです。ですが、視線はさえぎることができても音は防ぎにくいもの。とりわけ子供部屋と夫婦の寝室が壁一枚しか隔てられていないような空間では、子供の耳に音が届いてしまいかねないですし、それを懸念して性生活に常にストレスを抱えてしまうようなことも考えられます。ですので、子供部屋と夫婦の寝室が離れている間取りが理想的でしょう。仮に隣り合わせだったとしても、その間にクローゼットなどがあると収納している服で多少消音効果が期待できます。もっとも、家族の活動時間帯をずらすといった対策もあるので、あくまで参考程度にしていただければと思います」(同)
では、物件探しの際にこうした間取りを選ばないようにするコツはあるのだろうか。
「まずは動線がどうなっているのかを、ライフスタイルを想定して間取り図に直接書き込んでみたり、内見時に実際に歩いてみたりすることです。動線というのは間取り図を見ただけではなかなか想像できないので、こうした予行演習を行うことで、いざ暮らし始めたときのイメージが湧きやすくなるでしょう。
ただ、大前提のこととして、家族間で納得して暮らせる間取りであるかをしっかりと語り合ってから、契約なり購入なりをすることが最重要だと思います。一人だけが満足するような間取りでは、ここまで語ってきたようなポイントを仮に満たしていたとしても、ほかの家族からすれば揉め事が起こりやすい間取りになり得ますからね」(同)
では、今住んでいる家が夫婦間の揉め事が起こりやすい間取りだと気づいてしまったときは、どうすればいいのだろう。 「問題を認識できたというのはいいことだと思います。試しに家具配置や収納計画を替えてみてもいいですね。また夫婦で問題意識を共有することも大事です。お互いの不満やストレス、苦労を理解してもらうだけでも、関係改善につながります。その上で、整理収納アドバイザーや建築家といった専門家に相談してもいいですね。
どうしても今の住まいでは問題解決できないという場合は、引っ越すのも手です。夫婦がお互いの関係改善、継続のためにお金と時間がかる面倒な“引っ越し”を選択するわけです。引っ越しは夫婦の絆が強くないとできないことだと思いますので、離婚という危機は乗り越えるきっかけになるのではないでしょうか。
同じ間取り、条件の家でも離婚する夫婦、幸せな夫婦がいます。間取りが暮らしにくい事で夫婦の揉め事が増えることはあり得ますが、それは1つの要因にすぎません。まずはパートナーに向き合うことから始めてはいかがでしょうか」(同)
(文=A4studio、協力=船渡亮/一級建築士)
提供元・Business Journal
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