春の訪れを知らせるように咲く梅と桜。
この梅と桜の両方を用いた言葉として「桜切る馬鹿梅切らぬ馬鹿」があります。

この言葉、桜を切るのが愚かとされるのになぜ梅は切らない方が馬鹿だと表現する形式になっているのでしょうか。

そこでここでは、この「桜切る馬鹿梅切らぬ馬鹿」という言葉についてその意味や成り立ちについて解説するとともに、梅や桜にまつわる言葉についてもご紹介します。

「桜切る馬鹿梅切らぬ馬鹿」は木の特性の違いから生まれた

「桜切る馬鹿梅切らぬ馬鹿」とはどんな意味?その由来は?
(画像=『FUNDO』より 引用)

「桜切る馬鹿梅切らぬ馬鹿」は、それぞれの植物の特性から生まれたとされた言葉です。

「桜切る馬鹿梅切らぬ馬鹿」の意味

「桜切る馬鹿梅切らぬ馬鹿」は、物事や常識を知らないことを批難することもしくは揶揄する際に用いられる言葉になります。
これは、桜と梅それぞれの特性から剪定方法が異なる事を知らないだなんて梅や桜を育てる上でありえない、という事から来ています。

世間知らずや非常識の人に用いる事もありますが、植物によって剪定方法が異なるのだという点をあらわしている言葉として用いられる事があります。

他にも、現代的な用い方として教育や指導の場面での使用というのもあります。
梅と桜で剪定の仕方が異なるように、人には向き不向きがあったり適正の有無といったものがあります。
なので画一的ではなく、それぞれ違いがあることを承知して対応に当たる必要があるというのがその場合の意味合いとなります。

「桜切る馬鹿梅切らぬ馬鹿」の成り立ち

剪定の仕方が異なるとされることに由来する「桜切る馬鹿梅切らぬ馬鹿」。
では、梅と桜の両者にはどのような剪定に関する違いがあるとされるのでしょうか。

梅は、生えてきた枝を細かく剪定していかないとせっかく整っていた樹形も崩れてしまいます。
そこから、梅は枝を切らないといけないという意味合いから「梅切らぬ馬鹿」という表現となっているのだとか。
また、梅には枝全体から直接花が咲くという特徴があります。
そのため、細かな枝を切り剪定した枝を伸ばしたほうが多くの花を咲かせるので「梅は(枝を)切ったほうがいい」とされているとも。

桜は、木が痛みやすいことからむやみに枝を剪定しないほうがいいとされることから「桜切る馬鹿」という表現となっているのだとか。
そして、桜は主に枝の先端に花を咲かせます。
剪定して枝を伸ばしても新たに花を咲かせる場所が増えるわけではありません。
そのため、桜は古くからある枝を大切に伸ばしていったほうが多くの花をさかせるので「桜は(枝を)切ってはいけない」とされているんだとか。

梅と桜は実は仲間

「桜切る馬鹿梅切らぬ馬鹿」とはどんな意味?その由来は?
(画像=『FUNDO』より 引用)

桜と梅、花の咲き方こそ異なりますが、実は分類上近しい仲間と言えます。

どちらもバラ科サクラ属の植物

桜と梅は、ともにバラ科サクラ属に分類される落葉広葉樹です。
そのため、かなり近しい存在だと言えます。