顧客が欲しがったもの…カタチはハマーでも中身は高級SUV!

「本物と同じカタチ」がウケた!高級SUV・ハマーH2がブランドの主力車種となった理由【推し車】
運転席と助手席間が巨大なトランスファーで隔てられたH1と異なり、ごく常識的なSUVのレイアウトとなったH2の車内©tannujannu/stock.adobe.com(画像=『MOBY』より 引用)

H1と同様にAMゼネラルで生産されたハマーH2ですが、武装と追加装甲を施せばそのまま洗浄に行けそうなH1ほどではないとはいえ、ハマー風、つまり「ハンヴィー風」の外観を極力維持しつつ、中身は全くの別物でした。

具体的にはGMでシボレー タホ(2代目)などへ用いられていたフルサイズSUV用のGMT820をベースに、大型・大重量へ対応する強化を施したGMT825プラットフォームを採用、リアサスペンションなどもセッティングし直されたもの。

4.8~5.7リッター級V8のタホより強力な6リッターV8エンジンを搭載し、2008年には出力向上した新型の6.2リッターV8へと換装、H1のようにガラスごと垂直面構成ではなかったものの、箱型に見えるボディによって、ハマーのイメージを損なう事はありません。

悪路走破性は高いものの、価格上昇要因だったリダクションハブはなくなって低床化、快適性を大いに損なう巨大なトランスファーもなくなって、遠く離れていた運転席と助手席も常識的な距離になりました。

それでいて側面や背面はしっかり垂直に立ち、水平に長いルーフと相まった箱型ボディで車内は広く、豪華な高級SUVをH1よりはるかに安価で提供したのです。

なお、「カタチはハマー」の副産物として、クロカン車で重要なアプローチアングルやデパーチャーアングルといった「不整地でボディ前後や底部を障害物に叩きつけないよう配慮されたスペック」は維持され、悪路走破性もソコソコでした。

「ハマー」ブランドの主力車種となったH2

「本物と同じカタチ」がウケた!高級SUV・ハマーH2がブランドの主力車種となった理由【推し車】
H2にはワゴンタイプのほか、SUT(スポーツユーティリティトラック)版も存在した(画像=『MOBY』より 引用)

そうそうこれだよ、俺たちが欲しかったのはハンヴィーそのもののH1じゃなく、ハンヴィーのカタチをしたH2だったんだ…というわけで、人気とは裏腹に販売は低調だったH1に代わる主力車種に成長したH2のセールスは好調!

ハンヴィーの民生化には成功したとはいえ、乗用車に経験の浅いAMゼネラルを横目に「ウチならこうするのに」と思っていたであろうGMの「ハマー」ブランド買収とH2の開発は見事に成功します。

これに勢いを得たGMは、さらに小型化したベビーハマー「H3」を開発してさらにヒットさせるのですが、それはまた別のお話…。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

文・MOBY編集部/提供元・MOBY

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