H1は買えなくとも、H2なら自慢のタネにもできるハマー

アメ車好きな筆者の知人が、「知り合いがハマーを買ったって自慢してくるんだけど…」と、珍しく困惑した表情で話を切り出しました。
ほう、そいつはスゴイじゃないか。あのハマーだろ?と探り探り、合いの手を入れた筆者に知人は一言、「でもH3なんだよなー」…なんだいそりゃ、H3じゃただハマーっぽカタチをしたSUVじゃないか、せめてフルサイズのH2じゃないと自慢にならないぞ?!
「だよねー!俺もそう思ったんだよ!」まあH2も普通のSUVではありますが、ベース車からアレコレ強化されててH1ソックリのサイズ感と外観、それでいて車内は広く使いやすく、何より安いのでよく売れたハマーでした。
読者のみなさんが見かけた「ゴツくてデカいハマー」も、実はH2かも?
本物じゃなく、「本物のカタチ」が大事なのは日米共通

日本でも1980年代後半〜1990年代前半あたりにピークを迎えた「クロカンブーム」。
セダンやハッチバックを除く、乗用車としてはそれまで傍流だったジャンルが大人気になったRVブームを象徴する出来事でしたが、中でも最高の人気を誇ったのが三菱のパジェロで、ゴツゴツした外観へさらにグリルガードなどで着飾るオシャレマッチョでした。
ただ、バブル崩壊後の経済低迷が本格的に長期化の兆しを見せると評価は一変、「別にこんな本格的じゃなくたって、パリダカ(※)走るわけじゃないし…」というわけで、もっと安くて燃費良く、快適だけどカタチはそのままなクルマが求められたわけです。
(※「パリ~ダカールラリー」…現在のダカールラリーで、パジェロが砂漠の王者をして大いに名を上げた事により、大ヒットへつなげた)
それがトヨタ RAV4やホンダ CR-Vの初代モデルに始まる国産クロスオーバーSUV人気へつながり、現在に至るわけですが、実はアメリカでも事情は全く同じ。
軍用高機動車の「ハンヴィー」民生版として1992年に発売した「ハマー」はセレブのオモチャとしてはウケたものの、軍用フルスペックなんて一般向けには不要な装備のため非常に高価なうえ、快適性が素晴らしいわけでもありません。
「ハマーみたいなカタチでもっと安いのがいい!」というわけで、メーカーのAMゼネラルから「ハマー」ブランドを買い取ったGMが「外観はハマーのSUV」を開発、2002年に発売したのが「ハマーH2」でした(同時に従来のハマーは「ハマーH1」へ改名)。