タクシーの利用には、顧客の立場からすれば、多くのリスクがつきまとう。手を挙げてタクシーに乗るとき、どの程度の質の運転手にあたるかは全くの偶然であって、運転手間の能力、経験、知識、就労意識の格差が大きいことは決定的なリスクである。

そもそも、運転手の質に関するリスクだけでなく、空車のタクシーが見当たらないリスク、混雑状況に応じて、長時間となり高額となるリスクなど、タクシーの利用にリスクが多すぎることは、電車が確実という顧客の評価となって、タクシー需要の低迷を招いていると考えられる。そこで、タクシー利用のリスクを低下させる工夫によって、タクシーの潜在需要を開発できるはずである。

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実は、既に、スマートフォンの普及と位置情報の高度利用は、技術的環境を根本から変えている。顧客が目的地の正確な位置情報を入力すれば、顧客の正確な現在位置に基づいて、目的地までの固定料金と見込み時間、顧客周辺にいるタクシーの運転手の評価と正確な位置が示され、顧客が特定のタクシーを選択すれば、料金支払いが自動決済され、タクシーが顧客に到達するまでの見込み時間が示され、後は待つだけとなる、これは既にウーバー(Uber)が実現していることである。