G7を始めとする一連の行事が終わりました。まずは一言、岸田首相は大変頑張られたと思います。その労をねぎらいたいと思います。いや、首相だけではなく、多くの裏方、つまり官僚や外務省を始めとする各省の担当者の目に見えない調整、広島の方々の協力、更には警備面で絶対的な安全が求められていた中で無事終了したことは日本の威信であったと思います。

G7首脳と岸田首相 首相官邸HPより

ゼレンスキー氏が日本に来るであろうことは多分ですが、諜報の世界ではある程度事前認識されていたはずでロシアや中国のスパイはあらゆる手段を使い、広島に集まり、情報収集に動いていたと思います。更にはロシアならば諜報部員に一定の権限すら与えた可能性はありうるわけで誰も指摘しませんが、何も起きなかったことは最大の成果とも言えます。

さて、個人的に今回の大イベントを一言で述べると「西側諸国の一大プロパガンダ イベント」で数多くの行事が凝縮された一種の政治版ダボス会議の様相であったと思います。メディアの一部には今回のイベントは失敗だったと厳しい声も掲載されています。鈴木宗男氏は一方的にウクライナだけにテコ入れする姿勢に「失敗だった」と述べ、カナダ在住の被爆経験者は被爆者の声が反映されず、今回の核軍縮声明も不十分との見解を示しています。これら批判の声は当然あるし、全てが100点満点を取れるわけではありません。ただ、何をもって成功か、失敗かは個々人の勝手な期待感をベースにしたものでそれが客観的視点に立っているわけではありません。

では岸田氏が残したものは何だったか、端的に言えば国際社会におけるリーダーシップと多くの国に協力を求めることができる力を示したものだと考えています。異論はあるかもしれませんが、私がみた岸田氏の今回の最大の成果は核軍縮のボイスでもウクライナ支援でもないのです。世界がバラバラになる中で誰かが中立的で、かつ、政治的圧力を受けずバランス外交を提示しなくてはいけない中で、日本がそのリーダーシップを取れることを示したと考えています。