ほとんどのニュースは知らない方が幸せに生きていける

正直、世の中の9割以上のニュースは知ったところで何の得もないといっていい。政治や経済については、ビジネスや投資の意思決定に影響があるし、大局の目指すべき方向性についての着想も得られるので見る価値はあるだろう。だが、その一方で悲惨な事件で命を落としたとか、有名人の誰が不倫したとかそういうニュースは知ったところで何のメリットもない。それどころか気持ちが暗くなったり、将来不安を煽られたりでデメリットが目立つ。

Yahoo!ニュースなどでは、そうしたニュースに対してコメント欄で憤りの声や怨嗟の声で溢れているが、その感情と時間の消費は人生の損失に近い性質があると思っている。もちろん、その人の行動は自由だし好きにすればいいわけだが、時間とヒマを持て余して仕方がない人を除き、多くの人は日々忙しく働いている。限られた時間とエネルギーを生産的なものに使った方が合理的なのは明らかだ。そうなると政治、経済ニュースや前向きなもの以外は意識的に遠ざけることで精神汚染を防ぐことができるだろう。

情報は諸刃の刃で、時に知らない方が幸せでいられることも少なくない。世の中で最も幸福度が低いのは、ニューヨークのホームレスだと言われる。周囲にはきらびやかで資本主義社会の勝者が闊歩するのを目の当たりにして、自分たちは負け組だと突きつけられる感覚に陥るからだ。しかし、無人島に住んでいたり、自給自足に近い社会に身を置けば幸福度はそこまで低くはならないと考えることもできる。情報も食事の栄養と同じで、取りすぎは精神的な健康を害するのである。

■最新刊絶賛発売中!

[黒坂 岳央]のスキマ時間・1万円で始められる リスクをとらない起業術 (大和出版)

■Twitterアカウントはこちら→@takeokurosaka

■YouTube動画で英語学習ノウハウを配信中!