燻製好きは多い。店で食べたり、BBQで作ったりするのはもちろん、自宅で燻製作りを楽しんでいる人もいるだろう。
燻製は熱燻だけでなく温燻、冷燻もある。ウォータースモークという方法もある。全てが1台の機器でできたら、燻製作りをする人はもっと増えそうだ。
それを可能にしたのが調理器具ブランドのKIWAMIYA亭だ。5月24日(水)よりクラウドファンディングサイト「GREENFUNDING」にて、高性能燻製器「SMOKER-X」の予約販売を行なう。その機能と商品が生まれた背景を紹介する。
アメリカの燻製器から着想を得た高性能燻製器「SMOKER-X」
「SMOKER-X」のサイズは、縦24cm、横24cm、高さ21cm。重さは3.5kgなので、外へ持ち出しやすい。一定の温度を保つ内蔵型温度計つきで、ガス、IH、電気コンロでも使える。
後述する八角形の受け皿の氷をのせて燻製すれば冷燻に。その受け皿にワインやビールを入れて燻製すれば、食材に香りづけをするウォータースモーキングもできる。素材はステンレスとアルミニウムで、食洗器が使えるのも便利だ。
純粋な煙”の対流をつくる独自設計の八角形の受け皿
「SMOKER-X」のボディは正方形でなく、四つ角を面取りした八角形になっている。これが燻製の仕上がりを左右する大きなポイントだ。
食材から水分が落ちて燻製チップにかかると、煙の質が変わり“純粋な煙”にならない。煙を直接吹き付けるスモークインフューザーもあるが、不完全燃焼の焦げ臭さが食材についてしまうことが多い。
熱と煙をいかに分離するか、その問題をクリアしたのが八角形の受け皿だ。
受け皿で仕切りをつくることで、食材の水分は燻製チップにかからない。また、八角形の受け皿とボディの四つ角の間に6mmの隙間をつくることで、煙だけが上流に上がり、対流が起こる構造になっている。
海外クラファンサイトで大反響、2,200万円を突破
アメリカの家庭では燻製器は一般的だ。KIWAMIYA亭の代表・矢島友和さんは、燻製器を海外から輸入して、国内で販売した経験がある。その時期に蓄積した知識があったため、「SMOKER-X」は0から開発することを決めたという。
日本発のブランドで、海外で挑戦しやすいのは調理器具だとかねてより思っていたという矢島さん。アメリカのクラウドファンディングサイト「Kickstarter」でプロジェクトを立ち上げたところ、開始わずか22日で2,200万円を突破した。
日本の食文化を広める調理器具を、メイドインジャパンで作っていきたいという矢島さん。グローバルな展開を視野に入れ、今後は商品を海外で販売すると同時に、日本流の調理方法をコンテンツとして提供することで、KIWAMIYA亭の外国人ファンを増やしていく考えだ。