みなさん、こんにちは。たびこふれライターのえいたです。
今回は、静岡市の清水港から伊豆半島の土肥港を結ぶ駿河湾フェリーに乗船してきました。
海あり山ありの静岡県内には、SLやアプト鉄道、旅情豊かないくつかのローカル線などユニークな乗り物がありますが、その1つが駿河湾フェリーです。洋上から見る富士山の絶景や県中西部から伊豆へのショートカットルート、そんな駿河湾クルーズの様子を皆さんにお届けしたいと思います。
駿河湾フェリーとは
静岡市の清水港から伊豆半島の土肥港まで30kmを75分で結んでいる高速カーフェリーで、船名はその名もズバリ「富士」です。全長83m、幅14m、総トン数約1,554tを誇る大型船です。約400名の乗客と大型バス、乗用車、オートバイや自転車を乗せて運航しています。5色の虹に彩られたカラーリングが特徴で、航路は全国でも珍しく「県道223(ふじさん)号」に登録されています。
船室は3つの等級から構成されていて、一般客室には座席と畳敷きスペースがあります。オーシャンルームと呼ばれる特別室は、乗車当日に売店でチケット(大人500円、小人250円※)を購入すれば利用可能で、大きな窓から見える景色は一見の価値あり。高級ラウンジのような雰囲気です。さらに、船の最上部にある貸切特別室は8名限定の洋上の個室です。
※2023年4月25日現在の料金です
清水港から乗船
清水駅から港までは無料の送迎バスが運行されています
駿河湾フェリーはカーフェリーですが、車を利用しない方でも気軽に乗船できます。JR清水駅のみなと口(東口)からフェリーの出向時間に合わせて無料のシャトルバスが運行されています。旅客のみの乗船は予約が不要です。
清水港ターミナル内で乗船手続きを済ませたら、乗船口へ向かいます。
この日は土肥から到着した折り返し便に乗船しましたので、土肥からの乗客と乗用車が下船した後に乗船しました。船の出入り口は車が一方通行で進むので、清水港と土肥港の出入り口はそれぞれ船の両端になっています。
客室の様子は
一般客室の座席は進行方向を向く椅子と、テーブルを挟んで向かい合うボックス席がありました。窓の外には甲板の壁などがあり開けた景色ではありませんので、お休みになる方、デッキで景色を楽しむ方など思い思いに過ごされていました。
一般客室の上の階に位置する特別室(オーシャンルーム)はゆったりソファや大きな窓から見える駿河湾の絶景を楽しむことができます。特別室に乗船したお客様は、左舷に見える富士山や前方に見えてくる新緑萌える伊豆半島の山々の風景を写真に収めたり、読書をしたりしていました。
船内の様子は
一般客室の一部にお土産コーナーとカフェがありました。フェリーだけの限定品や郵便ポストがありました。このポストからはがきを出すと「223(ふじさん)」のスタンプが押されて届くそうです。
後方のデッキに出てみました。穏やかな駿河湾の上を時速18.5ノット(約30km)で走るフェリーは快適そのもの。頬をなでる潮風が旅情を盛り上げてくれます。
旅立ちの鐘です。
船内にはSNS映えするようなポイントがいくつかありました。
なによりも、この日は黄砂が大量に日本列島に吹き荒れていたにも関わらず、富士山が見えていたのが大きなポイントだったと思います。
船内でアツアツのたこ焼きを食べた
駿河湾フェリーの名物の1つが、後方デッキで営業している栗田屋の屋台。県道223号の標識をかたどった「ふじ見焼き(※夏期を除く)」やたこ焼き、海鮮串などを販売していて、私はたこ焼きのマヨネーズわさびを購入しました。
たこ焼き1つ1つが大きくて、中に入っている蛸もふつうに比べると大きなものが入っていて食べ応え満点でした。わさびとマヨネーズの組み合わせ、ヤバいです(笑)。ここは夕焼けでも見ながらビールを片手にやりたいところでした。(もちろん船内にもビールは売っています。)
乗船した港へ戻ってくるクルーズ乗船もできるんです!
駿河湾フェリーでは清水港から土肥港まで75分、折り返しの10分の停船に復路のさらに75分、合計160分(2時間40分)のプチクルーズ体験もできるんです。しかも、片道×往復運賃よりも格安な料金で。
このパターンの(下船をしない)お客様は、ネームプレートのような乗船票を首にかけて乗船します。私もこのパターンで乗船しましたが、同じようなお客様をチラホラ見かけました。
2時間40分は長いようで、意外とあっという間に過ぎました。富士山や三保の松原の風光明媚は景色や、行き交う貨物船にしばし白い航跡を眺めたり、潮風に吹かれてたこ焼きやお弁当を食べたり、とても快適な船旅でした。