ヤマダのオンラインショップの売上は10%前後しかない
平日は郊外型店舗は閑散としているが、たとえば都心部の東京・池袋の店舗は平日も客が多いという声もSNS上ではみられる。
「都心部の店舗は郊外型店舗と比較して、平日でも人気(ひとけ)が多い傾向はあるでしょう。都心の店舗はアクセスがしやすい駅前などに出店しているので、それだけ多くの人が訪れる立地条件になっています。また、単純に都心部の人口が多いということだけではなく、都心部はそのエリアに住んでいない人も観光やショッピング目的で多く訪れるので、その分賑わっているという理由もあるでしょう」(同)
だが、2020年10月4日には旗艦店だった「ヤマダデンキ LABI 新宿東口館」が閉館している。
「確かに新宿東口店は新宿のランドマークのひとつとして常に賑わっていましたし、コロナ禍前は外国人観光客のインバウンド需要も捉えた店舗でした。そのため、この大型旗艦店の閉店はヤマダデンキブランドの低迷を思わせるかもしれませんが、実際はそうではありません。
閉店の理由は、店舗から数百メートル先にあった、『大塚家具 新宿ショールーム』との競合を避けるためでもあります。というのも、ヤマダデンキは19年12月に大塚家具を子会社化したため、近場に同グループの店舗が並ぶ事態になってしまったので、売上効率化のために片方を意図的に閉店したのでしょう。ですから旗艦店が閉店したからといって、ヤマダデンキの業績が悪化しているというわけではありません」(同)
ちなみに、近年の家電量販店業界は、オンラインショップの売上も重要視されている。ヤマダデンキはオンラインショップで儲けを出しているということもありそうだ。
「確かにヤマダデンキは、近年ネット通販サイトの『ヤマダウェブコム』にも力を入れています。小物家電から白物家電まで品揃えは幅広く、13時までに注文すれば最短で当日中に商品が届くなどのスピード対応を行っていることに加え、WEB限定の期間限定特価セールなども行なっています。
ですが、ヤマダデンキのこうしたネット通販での売上はまだ同社の全体の10%前後で、今でも実店舗での売上が収益の大部分を占めています。これは、家電という大きな買い物は『自分の目で見て気になる部分をすべて確かめてから購入したい』という思いが利用者のなかで依然強いからではないでしょうか。ネット通販のネックのひとつに『思っていたものと違うものが届く』というケースがありますよね。そのため、値の張る家電を購入する場面は客もこうしたリスクヘッジに敏感になり、実店舗で購入しようという心理になっているのでしょう」(同)
(文=A4studio、協力=西川立一/流通ジャーナリスト)
提供元・Business Journal
【関連記事】
・初心者が投資を始めるなら、何がおすすめ?
・地元住民も疑問…西八王子、本当に住みやすい街1位の謎 家賃も葛飾区と同程度
・有名百貨店・デパートどこの株主優待がおすすめ?
・現役東大生に聞いた「受験直前の過ごし方」…勉強法、体調管理、メンタル管理
・積立NISAで月1万円を投資した場合の利益はいくらになる?